12c R2の「現場で役立つ」新機能は? コーソルのエキスパートのお勧めはコレ!DBA必読! 開発/運用管理がもっと楽になる(1/4 ページ)

先頃、オンプレミス向けの提供が開始された「Oracle Database 12c R2」。待望の新版では多くの機能強化が図られているが、現場のベテランエンジニアはどこに注目しているのだろうか? コーソルの新人エンジニアが同社のエキスパートに聞いた。[運用管理効率化][Oracle Database 12c]

» 2017年06月01日 18時00分 公開
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待望の「12c R2」が登場 エキスパートが注目したポイントは?

 日本オラクルは先頃、「Oracle Database 12c Release 2(以下、12c R2)」のオンプレミス版の提供を開始した。12c R2は既にOracle Database Cloud Serviceで先行リリースされていたため、同サービスを利用して新機能などを試したという読者もいるだろう。

 12c R2では、さまざまな機能強化が図られており、例えば「マルチテナント機能の強化」「インメモリ性能の向上」「ビッグデータ対応」などに関心が集まっている。あらためて、現場のデータベースエンジニアの視点で見た場合に、データベース構築や運用管理の効率化に役立ちそうな強化ポイントは何があるのだろうか?

 Oracle Databaseユーザーの誰もが抱くこの疑問に、コーソルのエキスパートらが答えてくれた。Oracle Gold Partnerとして、オラクル製品を用いたシステムの設計から構築、運用の全般にわたり高い技術力とノウハウを持つ同社は現在、国内のさまざまな業界/業種の企業に対して各種のソリューション提供や技術支援を行っている。そんな彼らが勧める12c R2の強化ポイントは何か。具体的にどう活用できるのか。同社の新人エンジニアの質問にベテランエンジニアが答えるかたちで紹介していこう。

本記事に登場するコーソルの皆さん

椛沢聖也さん

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2016年に新卒でコーソルに入社した新人エンジニア。文系学科の出身だが、コーソルの充実した研修プログラムを受けてメキメキと成長。既にORACLE MASTER Goldも取得済み

高村早智さん

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椛沢氏の1年先輩。2017年現在はOracleサポートグループのメンバーとしてOracle Databaseのエラーやパフォーマンスチューニングに関するサポート業務を担当している

渡部亮太さん

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コーソルの技術統括担当。Oracle Databaseに関するさまざまな技術書を執筆し、JPOUG(Japan Oracle User Group)の設立にもかかわった日本有数のOracle Databaseエキスパート。国内でわずか数名のOracle ACEにも認定されている

村田智千帆さん

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入社5年目。2017年現在はOracleサービスグループにおいてユーザーのシステム構築全般に対する支援を行っている。ORACLE MASTER Platinumの認定エンジニア


椛沢 高村先輩、お疲れさまです! ちょっとお伺いしたいことがあるのですが、今、お時間大丈夫ですか?

高村 椛沢君、お疲れさま。もちろん大丈夫だけど、聞きたいことって何かしら?

椛沢 先日、Oracle Database 12c R2のオンプレミス版の提供が始まりましたよね。今、ご支援しているお客さまが早速関心をお持ちで、「11gからのアップグレードを検討してるんだけど、その際、新たに導入するとよい新機能を教えてくれ」とおっしゃるんです。ただ、12c R2については自分もこれから勉強しようというところで、何をお勧めしたらよいのかお聞きしたいと思いまして……。

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高村 実は、私も12c R2についてはこれからきちんと勉強しようと思ってたんだよね。あ、そうだ。よい機会だから、先輩に時間をもらって一緒に教えてもらおうか! コーソルにはOracle Databaseに関して日本でも指折りのエキスパートがいるんだし。

椛沢 渡部さんですねっ! 早速お願いしてみます!!

高村 そういえば、Oracleサービスグループの村田先輩も12c R2のβプログラムに参加したって聞いたわ。村田先輩にもお願いしてみるわね。

12c R2でマルチテナント機能が大幅に強化 PDBのオンライン再配置が可能に

 こうして後日、コーソルの技術統括を担当する渡部氏と入社5年目の村田氏を講師に迎え、12c R2の勉強会が催されることになった。

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椛沢 本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まず早速、渡部さんにお伺いしたいのですが、12cの目玉機能に「マルチテナント」がありますよね。12c R2では、この機能がさらに強化されたそうなのですが、特に注目されるポイントを教えてください。

渡部 それならば、「PDBオンライン再配置(Near Zero Downtime PDB Relocation)」だね。12c R1でマルチテナント機能が導入されたのに伴い、プラガブルデータベース(PDB)の単位でデータベースを扱えるようになったことは2人とも知っているよね?

椛沢/高村 はい!

渡部 12c R1では、この機構を使ってPDBを別のコンテナデータベース(CDB)に移すことができるのだけれど、オンライン状態のPDBの移行まではサポートしていないんだ。

椛沢 オンラインでデータベースを移行したいというニーズは多いですよね。ただ、データサイズが大きい場合には、データベースを構成するファイルの移動に時間がかかるのに加えて、ファイルを移動している間はデータベースが使えない状態になってしまいます。

高村 そのために、データの差分だけを転送するテクニックを使って、データベースの停止時間を最短に抑えるように工夫してきたのよね。

渡部 そうだね。方法は幾つかかあるけれど、概念的には「差分を一括で反映する」か、「逐次反映する」かのいずれかの方法で対処してきたよね。

データベース移行の2つのアプローチ

(1)変更差分の一括反映型

  1. システムの稼働中に何らかの方法でデータベースを構成するファイルのバックアップを取得して移行先にコピーする
  2. 移行元のデータベースを停止する
  3. バックアップを取得してから移行作業を実施するまでに発生したデータベースの差分を、移行先に一括で適用する

(2)変更差分の逐次反映型

  1. システムの稼働中に何らかの方法でバックアップを取得して移行先にコピーする
  2. 移行元のデータベースに適用された更新を、移行予定のデータベースに逐次反映する

 いずれの方法を採る場合も、データベースエンジニアはさまざまなテクニックやテクノロジーを使ってデータベース停止時間を最短に抑えるように工夫してきたわけだ。PDBオンライン再配置を使うと、これらの作業をよりシンプルに行えるようになるんだ。

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椛沢 へー、便利そうですね! どうシンプルになるのですか?

渡部 次の図に示す2つのコマンド(1、2)を実行するだけでいい。

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 これらのコマンドを実行すると、内部的には次の処理が実行されるよ。

  1. データベース稼働中に移行元PDBの構成ファイルが移行先にコピーされる(CREATE PLUGGABLE DATABASE実行時)
  2. 移行元のPDBが停止され、CREATE PLUGGABLE DATABASE実行後に更新された移行元PDBの差分が移行先PDBに適用される(ALTER PLUGGABLE DATABASE OPEN実行時)

高村 なるほど! PDBの構成や差分を意識する必要がなく、シンプルな手順で移行できるようになったのですね。データベースエンジニアとしてはとてもありがたい機能強化です!

渡部 このコマンドは、今のところ12c以降ですでにPDB化されているデータベースの移行に使えるのだけれど、今後は11gから12cなどへの移行にも対応する計画があるらしい。データベースのアップグレードや移行を行う際、特に停止時間の短縮を強く求められるようなプロジェクトで有効に活用していきたいね。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月30日

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