サッポログループが物流管理やDWHなどの基幹データベース群をOracle Exadataに統合し、運用管理を大きく改善クラウド活用も含めた拡張性の高さが大きな魅力(1/3 ページ)

サッポログループは基幹の物流管理や営業情報、会計、DWHなどのシステムで利用するデータベース群をOracle Exadata&Oracle Databaseに集約、統合。運用管理の負担とコストを大きく軽減するとともに、パフォーマンスを大幅に改善した。将来的にはOracle Cloudの活用も視野に、IT環境のさらなる最適化を目指すという。

» 2018年01月24日 07時00分 公開
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M&Aで複雑化したグループIT環境の標準化、DWH高速化を目的にOracle Exadataを導入

生ビール時代を切り開いた「サッポロ生ビール黒ラベル」、120年以上にわたり愛され続ける「ヱビスビール」などの主力商品も武器に、サッポログループは創業150周年の節目に向けてさらなる成長を目指している

 「潤いを創造し、豊かさに貢献する」ことを経営理念に掲げ、サッポロビールを中核に国内外において酒類事業や食品/飲料事業などを手掛けるサッポログループ。2026年に創業150周年を迎える同グループは、それに向けて2016年に「サッポログループ長期経営ビジョン『SPEED150』」を策定し、特徴ある商品/サービスをグローバルに展開して顧客接点の拡大を図ることで、さらなる強い成長を目指している。

 そのサッポログループの経営を支える人事や総務、経理、物流といった機能を集約し、グループ内の各社と協働して構造改革とコスト改革を企画、策定する機能分担会社がサッポログループマネジメント(以降、SGM)だ。同社はサッポログループのITを統括する役割も果たしており、運用管理業務の集約による効率化やIT戦略の立案なども行っている。

 SGMでは、2015年からグループ内IT基盤の標準化プロジェクトを推進してきた。サッポログループはM&Aによってさまざまな企業を傘下に収めながら成長を続けているが、これに伴いグループ内のIT環境も複雑化。それらの集約と統合が必須であり、その中で全体最適化を図ることでさらなる効率化を目指そうというのだ。そして、このプロジェクトで中心的な役割を担うのが、同社が新たに導入した「Oracle Exadata」である。Oracle Exadata導入の背景について、プロジェクトを推進する駒澤正樹氏(グループIT統括部 シニア イノベーション エキスパート)は次のように説明する。

サッポログループマネジメント グループIT統括部 シニア イノベーション エキスパートの駒澤正樹氏

 「IT基盤の全体最適化を図り、各種サーバなどを集約、統合していく際の柱の1つとして位置付けたのがOracle Exadataです。当グループではさまざまなシステムでOracle Databaseを利用していますが、それらのバージョンはバラバラでした。そのため、例えばDatabase Linkがバージョン違いで使えないなどの問題が生じており、EAIを使ってシステム間連携を図る必要があるなど、余分なコストと手間が発生していたのです。そこで、IT環境を標準化することにより、コスト削減を図ろうというのが目的の1つです。加えて、データウェアハウス(DWH)基盤として利用していたシステムの性能が不足していた他、ハードウェアの保守期限切れも迫っていたため、高い性能を備えたデータベース基盤にリプレースしたいというのも大きな動機でした」

基幹の物流管理など各システムのデータベース基盤をOracle Exadataに統合

 SGMがOracle Exadataによるデータベース基盤の集約、統合の対象としたのは、同社の事業を支える基幹の物流管理システム「LNET」(スクラッチ開発)、Oracle Siebel CRMによる営業情報システム「NXSIS」、Oracle E-Business Suiteで構築された会計システムおよび生産購買システム、そして先に触れたDWHなどで用いていたデータベース基盤である。

 これらのデータベース基盤をOracle Exadataに集約、統合することで、駒澤氏が述べるようにOracle Databaseのバージョンが異なることによって生じていたさまざまな弊害を解消できる。また、各データベース基盤の稼働環境(ハードウェア)が異なる場合、それぞれが別の時期に更改を迎えることでデータベース環境に差異が生じ、標準化を維持できなくなるという懸念がある。ハードウェアをOracle Exadataに統合すれば、この課題を解消できることも大きなメリットだった。

 なお、SGMではOracle Exadataの選定に際して、パブリックラウドや個別にデータベースサーバを立てて運用する場合との比較を行っている。これについて、グループIT統括部 イノベーションエキスパートの布施川貴久氏は次のように説明する。

 「コスト面や運用の簡素化といった面について、どれだけの効果が出せるかを検証しました。比較対象に選んだのは、パブリッククラウドの他、システムごとに個別にデータベースサーバを立てるケースです。その結果、Oracle Exadataがベストな選択肢だと判断したのです」

 SGMが実際に導入したのは、「Oracle Exadata X5-2 Quarter Rack」と「同Eighth Rack」の2台で、前者を本番環境、後者は検証およびバックアップ環境として用いる。これらのOracle Exadataはそれぞれ東日本と西日本のデータセンターに設置され、一部の本番環境のデータを検証・バックアップ環境にレプリケーションすることで災害対策も強化する。データベースはOracle Database Enterprise Edition 11g R2と同12cに統一する。

 この他、Oracle DatabaseによるHA構成を実現するための「Oracle Real Application Clusters」、データベースを圧縮して高いリソース使用効率を実現する「Oracle Advanced Compression」、データベースチューニングのための「Oracle Diagnostics Pack」と「Oracle Tuning Pack」、さらに東日本と西日本のOracle Databaseをリアルタイムに同期する「Oracle Data Guard」が併せて導入されている。当初はRMANを用いてバックアップやレプリケーションを行い、将来的にOracle Data Guardに置き換える計画だ。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年2月23日

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