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同じメールしか受信できない!?コマンドを使ってトラブルシューティング(4)(2/2 ページ)

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壊れたメールは受信できない?

 考えているとついウトウトしてきました。眠ってしまいそうになったとき、物音で目を覚まします。起きると目の前にメモが置いてあります。

    「メールが壊れているんじゃないですか?」    

 そうか、メールが壊れているから受信に失敗するのか。でも、壊れたメールを何とかするには、どうすればいいのでしょう。

 ……そうか、telnetを使えばいいのか。

 コマンドラインからtelnetを起動してPOPサーバにアクセスしてみます。POP3サーバのポートは110です。

部長のマシンからtelnetでPOPサーバにアクセスした結果

C:\>telnet pop.example.co.jp 110
+OK <13865.1105943787@example.co.jp>
USER buchou@example.co.jp
+OK
PASS shachousan
+OK
LIST
+OK scan listing follows
1 9200
2 2896
3 11887
(中略)
123 5125
.
QUIT
+OK

 確かにメールはたまっているようですので、律子さんはともかく試しに1つ受信してみました。

1通目のメールを受信してみる

RETR 1
(略) 

 1通目のメールは受信できました。

 確か4つ目のメールまでは受信できているはずなので、5つ目のメールが壊れているに違いありません。取りあえずヘッダだけを受信してみることにしてみます。

5つ目のメールヘッダ

TOP 5 0
+OK Message follows
Return-Path: <marian@100inchbigscreentv.com>
Received: from localhost by ms34 with LMTP for <tounai@sc5.so-net.ne.jp>; Mon, 17 Jan 2005 13:37:23 +0900
Received: from eforward2.name-services.com (eforward2.name-services.com [216.52.184.242])
by mx12.ms.so-net.ne.jp with ESMTP id j0H4bLHx027736
for <bucho@example.co.jp>; Mon, 17 Jan 2005 13:37:22 +0900 (JST)
Received: from 218-168-83-150.dynamic.hinet.net ([218.168.83.150]) by eforward2.
name-services.com with Microsoft SMTPSVC(5.0.2195.6747);
Sun, 16 Jan 2005 20:31:07 -0800
Message-ID: <6f4b01c4fc4a$5f9eff35$8fc0ee6a@100inchbigscreentv.com>
From: "Susan M. Taylor" <marian@100inchbigscreentv.com>
To: soulsonicforce@eastinside.org
Subject: Replica watch models
Date: Mon, 17 Jan 2005 04:14:01 +0000
MIME-Version: 1.0
Content-Type: multipart/related;
type="multipart/alternative";
boundary="----=_NextPart_000_0000_A49B7A08.077CBBA3"
X-Priority: 3
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2600.0000
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V6.00.2600.0000
X-OriginalArrivalTime: 17 Jan 2005 04:31:08.0593 (UTC) FILETIME=[5D94CA10:01C4FC4D]

 ヘッダは問題なく受信できました。あて先から見ると何となくSPAMのようですが、取りあえず受信してみることにします。

あやしい5通目のメールを受信してみる

RETR 5
(略) 

5通目のメール受信の実行結果

Connection Closed

 あれっ、やはり受信の途中で切断されます。どうやらメールが壊れていて、変なコードに文字化けしているようです。

図1 部長宛てのメールの5通目が問題
図1 部長宛てのメールの5通目が問題

 次に再度接続して、次のメールを見てみることにします。

6通目のメールを確認

RETR 6
(略) 

 ちゃんと受信できました。やはりこの5番目のファイルが壊れているようです。しばらくすると部長が様子を見にやって来ましたので、消してもいいか確認して、壊れたメールを削除することにします。

問題の5通目のメールメッセージを削除

DELE 5
QUIT

 終了して、もう一度メールクライアントを立ち上げて、受信すると今度はうまくいきました。これでひと安心です。

ちょっと解説<telnetの利用法>

 電子メールは通信の途中で変なコードが入ったり文字が抜けるなど、どんなメールでも壊れるという可能性は常に持ち合わせています。壊れていたときには文字化けしたり、添付ファイルが壊れるといったことだけでなく、文字が変なコードに化けて、送信を終了させたりすることもあります。

 そのような場合はサーバからの受信が途中で止まってしまうのですが、こういう壊れたメールは削除する必要があります。しかし、普通のメーラーからは、受信前のメールファイルから、特定のメッセージだけを削除することはできないことが多いので、直接POPサーバにTelnetを使ってアクセスし、メールの様子をチェックしたり、壊れたメールを削除するということになります。

 Telnetはリモートアクセスに使うだけでなく、HTTPやPOP、SMTPなどさまざまなテキストベースのプロトコルにアクセスできますので便利なことに使えます。覚えておくといいでしょう。(著者)


この連載は@IT Master of IP Networkフォーラムの会議室のやりとりを参考にしています。



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