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お父さんもお母さんもこれを読めばOK 2007年春の無線LAN用語ばっちり講座5分でネットがわかるシリーズ(11)(5/5 ページ)

ノートPCだけでなくゲーム機までワイヤレス通信対応となり、家庭に浸透した無線LAN。でも、用語まではちょっと……というみなさま! 5分で無線LAN用語をばっちり解説します

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新しい無線LAN規格「11n」とは?

 2006年後半から2007年にかけて、新しい無線LAN規格が登場し、注目を集めています。その名も「IEEE 802.11 n」。11nは、IEEE内で現在も規格に関して話し合いが続いている状態で、2007年後半に策定予定となっています。

 11nの最大の特徴はその接続スピードにあります。現時点では規格が正式に決まっていない状態ではありますが、実行速度は100〜600Mbit/sを目指しているようです。

 なぜこれほどの速い速度でデータ転送ができるかというと、「MIMO(Multiple Input Multiple Output)」という新技術を使っているからです。MIMOは複数のアンテナを使って、アクセスポイントとクライアント間を通信し、高速化と安定化を実現しているのです。

 いままでの無線LANアクセスポイントはアンテナ1本で54Mbit/sの通信をしていましたが、そのアンテナを複数にすることで、大容量の通信を実現しているのです。また使用している周波数は2.4/5GHz帯です。なので、無線LANの製品によっては、1台の機器で11b、11a、11g、と3つの形式に対応した製品が販売されるかもしれません。

図3 MIMOの通信イメージ<br>アンテナを複数本使うことで大容量の通信が可能に
図3 MIMOの通信イメージ
アンテナを複数本使うことで大容量の通信が可能に

【参考】

100Mbpsオーバー、MIMO技術を搭載して2006年には登場かhttp://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/trend/20040819/01.html


正式に決定していないのに製品が販売されている?

 まだ規格が確定していない11nですが、すでに無線LANアクセスポイントの製品で「11n対応、MIMOで大容量通信!」と宣伝しているものがあります。これはいったいどういうことなのでしょうか?

 実は、11nは2006年3月にドラフト版(draft=草稿)がIEEEで決められており、現在発売されている11n製品のカタログをよく見ると、「draft 11n」と書かれています。ドラフト版と正式版は、ほとんど違いがないといわれていますが、購入する側からすると、ちょっと不思議な感じがしますね。

 まだ実用化はされていませんが、有効範囲が50キロメートルといわれている、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)という技術も注目です。無線LANの技術と携帯電話の技術が近づくことで、無線通信の速度やエリアも大きく変化していくでしょう。WiMAXは、現在IEEE 802.16として標準化作業が行われています。

【参考】

総務省が公表するWiMAX規格のチェックどころ

今週にも公開、どうなる!WiMAX規格http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/tokusyuu/36wimax/01.html



 今回はかなり駆け足でIEEE 802.11の話を中心に紹介しました。幸いなことに、日本は無線LANの製品も多く、気になった言葉を検索すれば膨大な日本語ページがヒットします。興味がある人は、この記事をスタートにしてどんどん調べてみましょう。

 ではでは、良い無線LANライフを!


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