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いまさら聞けない! FlashとActionScriptについていまさら聞けないリッチクライアント技術(5)(3/3 ページ)

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Flashの肝「ActionScript」とは?

 さて、これまではアニメーション的な要素としてのFlashの作成方法を見てみましたが、ここからはFlashの機能の要となる「ActionScript」について解説をします。ボタンをクリックしたらアニメーションが始まったり、違うURLにジャンプしたり、マウスを動かすとサイトのデザインが変化したりと、ActionScriptがあるからこそ、Flashのインタラクティブ性を保っているのです。

 では、ActionScriptとは一体何なのか? どのようにして利用するのかを見てみましょう。

ActionScriptはスクリプト言語

 ActionScriptはPerlやJavaScriptと同じくスクリプト言語です。この言語をFlashのオブジェクトに組み込んで、複雑な動きやエフェクトを実現しています。

 では、実際にどのような感じでActionScriptを使うのか簡単に見てみましょう。まずは、先ほど利用した「Flash 8」を利用して、オブジェクトにActionScriptを埋め込んでみます。とても簡単な例として、画像にマウスオーバーをしたら、違うページにジャンプしてみるというものです。

 まず、ActionScriptを埋め込みたいオブジェクトを選択して、スクリプトを記述します。

図9 ActionScriptをオブジェクトに記述する
図9 ActionScriptをオブジェクトに記述する

 画像の要素に、以下のように書き込んだ文字列がActionScriptです。

on(rollOver){
    getURL('http://www.atmarkit.co.jp/');
}

 これは、「画像の上にマウスが来たら、@ITのサイトへジャンプしろ」といった、とても簡単な命令になっています。では、実際に作成をしたFlashを見てみましょう。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

 どうですか? マウスカーソルを円の中に持ってくると、@ITのトップページにジャンプしたと思います。

 ActionScriptについて詳しく解説すると、本が1冊書けてしまう分量になってしまうので、今回はActionScriptの雰囲気をちょっとだけお伝えする程度でストップします。

 複雑で動的なデザインのWebサイト、FlashゲームなどはこのActionScriptを上手く使ってコンテンツを作っているのです。

ActionScriptの歴史

 ActionScriptは2000年にリリースされたFlash作成ソフト「Flash 5」に初めて搭載されました。いままでも「アクション」という機能はありましたが、単純でシンプルなものでした(ボタンをクリックしたら、違うページに飛ぶ、といったぐらいです)。

 そこで、2001年にActionScript 1.0が登場しました。これはECMAScript 3をベースとして開発され、かなりパワーアップし、オブジェクト指向ライクなスクリプト言語となりました。

 2005年に発売されたFlash MX 2004で「ActionScript 2.0」とバージョンアップします。オブジェクト指向の要素はさらに強くなり、準拠する言語もECMAScript 4となりました。2007年に発売された「Flash Professional 9」にはActionScript 3.0が搭載されています。

ActionScriptとJavaScriptは親戚?

 先ほどから「ECMAScript」と書いていますが、これはいったい何なのかというと……。ECMAScript(エクマスクリプト)とは、国際標準化機関Ecma International(エクマ・インターナショナル)」が策定したプログラミング言語です。

 ECMAScriptはNetscape社のJavaScriptとMicrosoft社のJScriptの互換性があまりにも違っていたために、これらの言語を標準化するために作られました(詳しくは連載第2回「いまさら聞けないJavaScript入門」の「聞くも涙、語るも涙の(?)JavaScript史」を参照してください)。

 ActionScriptはECMAScriptをベースに開発されたため、JavaScriptとよく似た文法と機能を持っています。JavaScriptを利用しているWebコンテンツ制作者にとっては、ActionScriptはとても入門しやすい言語なのです。

オブジェクト指向とは?

 先ほどから解説に頻繁に登場する「オブジェクト指向」はソフトウェア開発の考え方の1つですが、なかなか簡単に説明できるものではありません。以下参考になる@ITの解説記事をリンクしているので、興味がある人はチェックしてください。

どうする? どうなる? 今後のFlash

 Macromedia社は1996年にリリースしたバージョン1から2005年のバージョン8まで、Flashの開発をしていましたが、Macromedia社が2005年にAdobe社に買収されてから、2007年まで新しいバージョンのFlashはリリースされませんでした。ようやく2007年4月に、Adobe社よりFlash 9に当たる、Adobe Flash CS3 Professionalが発売され、ActionScriptも3.0にバージョンアップされました。まだ、リリースされたから1年も経っていないので、Flash 9のポテンシャルを最大限に引き出したWebコンテツは少ないですが、今後増えていくことでしょう。

 また、YouTubeやニコニコ動画といった、Flash Videoの需要はますます増加されることが予想されます。Flash Videoの特徴はFlashのプラグインさえ導入していれば、動画のコーデックやほかのプラグインが一切入らずに視聴できる利便性にあります。加えてWebページ、ブログに簡単に張り付けることができます。

 この世に出てからすでに10年以上経過している技術ですが、まだまだWebコンテンツで重要な場所に位置するようなので、目が離せません。

今回の3行まとめ

  • Flashはテキスト、画像、動画、音楽などを手軽に取り込める
  • Flashの複雑な動きはActionScriptというスクリプト言語を使っている
  • これからもFlashの需要はますます高まっていく可能性が高い


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