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PMの人間力が試される、「人的資源マネジメント」メンバーに贈るプロマネ基礎講座(7)(3/3 ページ)

本連載は、これからプロジェクトマネージャへの転身を考えている方、現在PMBOKベースでマネジメントされているプロジェクトに参加しているメンバーの方などを対象にしています。『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版(日本語版)』(以下、PMBOKガイド)の解説を行いながら、プロジェクトマネジメントの基本を解説していきます。なお、各小見出しの横には、対応するPMBOKガイドの章を記載していますので、PMBOKガイドを学習する際の参考にご利用ください。記事の最後には演習問題を用意しました。復習にご利用ください。

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演習問題

問題1

 あなたのプロジェクトでは、新しい技術を導入するか否かについて、メンバーが対立をしています。そこで、プロジェクトマネージャであるあなたは、新しい技術のメリット、デメリットを調査し、その報告を基に議論して決定することにしました。あなたが使用した解決手法は次のうちどれでしょうか?

a.妥協

b.強制

c.撤退

d.対峙


正解

 d


解説

 コンフリクトマネジメントに関する問題です。今回のシチュエーションでプロジェクトマネージャは、今回の対立の原因である新しい技術について調査を行い、その客観的データを用いて議論し、解決することを選択しました。この解決法を「対峙」といいます。

 なお、そのほかの選択肢の場合ですが、選択肢aの「妥協」は、新技術の導入については部分的に認めるなど、双方が譲歩して合意に至るケースを指します。選択肢bの「強制」は、プロジェクトマネージャであるあなたがその権限を行使して「今回、新技術は使わない」などと決め、メンバーにそれに従わせることを指します。選択肢cの「撤退」は、対立しているメンバーの一方が交渉する姿勢を見せず、後はどうなっても知らないといって投げ出してしまうような状況を指します。

 これらの内容からも分かるように、最も積極的で双方が満足できる解決策は「対峙」といえます。ただ、この場合、事前調査など時間を要することにもつながりますので、時間的な猶予がない場合には「強制」など別の方法を取る方がよいケースもあります。

演習問題

問題2

 あなたはチームの編成に当たり、バーチャルチームを編成することにしました。このことについて最も適切に表現しているのは、次の選択肢のうちどれでしょうか?

a.今回のプロジェクトは、規模が小さいので、2人のメンバーで構成され、それぞれのメンバーは3つずつの役割を担当することに決め、チームを編成した。

b.今回のプロジェクトで適用する技術のうち1つは大阪支社のAさんしか適用できないため、Aさんをチームメンバーに加え、テレビ会議などで参加してもらうことにした。

c.今回のプロジェクトは、規模が大きいので、プロジェクト・マネジメントを行うためのメンバーをアサインし、プロジェクト・マネジメント・チームを編成した。

d.チームの結束力を高めるために、「戦略室」と呼ばれる部屋を用意し、そこにメンバーが集まって作業を進めることにした。


正解

 b


解説

 選択肢bにあるように、遠方にいる要員をメンバーとして加え、テレビ会議や電子メールなどの媒体を利用してコミュニケーションを図るチームをバーチャルチームといいます。選択肢a選択肢cは特に呼び名があるわけではありません。選択肢dのように、作業場所を1カ所に集め、みんなで共同作業をすることで一体感などを醸成し、パフォーマンスを上げる手法を「コロケーション(Co-Location)」といいます。

筆者プロフィール

田中亮

グローバル ナレッジ ネットワーク

プロダクトマネージャ兼講師。保有資格は、米国PMI認定PMP、OCP:ORACLE MASTER GOLD。SEとして生産管理システムの開発を経て、グローバルナレッジへ転職。Oracle認定研修やデータベース関連コースの講師を担当後、PMPを取得。現在は、PM/SWEグループ プロダクトマネージャを担当する傍ら、講師としてプロジェクトマネージメントの研修やOracleの研修も実施している。いま関心のあることは、2人の息子の子育てと、ウイスキーを楽しむこと。



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