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6分で読めるPMBOKのリスク・マネジメントメンバーに贈るプロマネ基礎講座(9)(3/3 ページ)

本連載は、これからプロジェクトマネージャへの転身を考えている方、現在PMBOKベースでマネジメントされているプロジェクトに参加しているメンバーの方などを対象にしています。『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版(日本語版)』(以下、PMBOKガイド)の解説を行いながら、プロジェクトマネジメントの基本を解説していきます。なお、各小見出しの横には、対応するPMBOKガイドの章を記載していますので、PMBOKガイドを学習する際の参考にご利用ください。記事の最後には演習問題を用意しました。復習にご利用ください。

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演習問題

問題1

 あなたの管理しているプロジェクトでは、あるアクティビティにおいて、コスト見積もりを行った結果、通常は100ドルで行える作業が、最大で150ドル必要になる可能性があることが判明しました。そのため、この作業に対する予備費として、50ドルを割り当てて万が一に備えることに決定しました。あなたは、コスト超過のリスクに対してどのような対応策を取ったのでしょうか?

a.回避策

b.転嫁策

c.軽減策

d.受容策


正解

 d


解説

 リスクの対応策に対する問題です。今回のケースは、リスクに対しては何も対処せず、もしリスク事象が発生しても問題ないように予備費を割り当てました。これは、「受容」策です。「回避」策を取る場合は、作業の進め方を変えるなどしてコスト超過を防ぎます。「転嫁」策の場合は、外部に委託したり、保険を掛けたりするなどしてコスト超過の影響を外部に転嫁します。「軽減」策の場合は、熟練した作業員を割り当てるなどして、コスト超過の割合を軽減させます。

 なお、今回のケースのように、コストの不確実性に対して割り当てる予備費のことを「コスト・コンテンジェンシー予備」といいます。

演習問題

問題2

 あなたのマネジメントするプロジェクトでは、リスクの識別を行った結果A、B、Cの3つのリスクが識別されました。その後、定性的リスク分析により重み付けを行い、リスクA、Bは対応策を策定し、リスクCはそのまま放置して様子を見ることにしました。このときリスクCは何と呼ばれますか?

a.残存リスク

b.二次リスク

c.放置リスク

d.優先リスク


正解

 a


解説

 今回のケースのように、定性的リスク分析により、優先的に対応する必要がないと定義されたリスクは「残存リスク」と呼ばれます。残存リスクはリスク登録簿の中で監視すべきリスクとして管理されます。「優先リスク」は、定性的リスク分析で優先的に対応する必要があると定義されたリスク、「二次リスク」は対応策を実施した結果発生したリスクのことです。「放置リスク」という言葉は定義されていません。

筆者プロフィール

田中亮

グローバル ナレッジ ネットワーク

プロダクトマネージャ兼講師。保有資格は、米国PMI認定PMP、OCP:ORACLE MASTER GOLD。SEとして生産管理システムの開発を経て、グローバルナレッジへ転職。Oracle認定研修やデータベース関連コースの講師を担当後、PMPを取得。現在は、PM/SWEグループ プロダクトマネージャを担当する傍ら、講師としてプロジェクトマネージメントの研修やOracleの研修も実施している。いま関心のあることは、2人の息子の子育てと、ウイスキーを楽しむこと。



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