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SubversionとTracでファイル管理の“迷宮”から脱出ユカイ、ツーカイ、カイハツ環境!(2)(4/4 ページ)

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【7】リソース・ヒストリーを表示

 フォルダやファイルの変更履歴を[ヒストリー]ビューで見ることができます。

図16 [ヒストリー]ビュー
図16 [ヒストリー]ビュー

 [ヒストリー]ビュー上で各リビジョンのログをクリックすると、そのリビジョンのファイルを見ることができます。また、任意のリビジョンのファイルを比較して表示することもできます。ある変更を行った際に、ソフトウェアの挙動がおかしくなった場合、リビジョンを調べると以前のファイルを確認できます。

【8】パッチを作成/【9】パッチの適用

 通常、Eclipseを利用した開発では開発者全員にコミット権限を与えますが、リポジトリの管理者を置く開発では、自由にコミットできない場合があります。

 Subversiveを利用すると、リポジトリの最新版とワーキングコピーの差分のパッチを作成したり、作成されたパッチをワーキングコピーに適用できます。この機能を利用すると、コミット権限を持たない開発者がパッチを作成し、コミット権限を持つ開発者が受け取ったパッチをリポジトリへ適用するといった運用ができます。

【10】バージョン管理に追加

 新しく作成したファイルをバージョン管理に明示的に追加できます。ファイルを作成したフォルダ上でコミットを実行すれば、自動的に新しく作成したファイルをリポジトリへ追加できるので、利用しなくても構いません。

【11】復元

 変更したファイルをリポジトリの最新バージョンに戻すことができます。誤ってファイルを編集してしまったときに便利です。

【12】ブランチ/【13】タグ

 ブランチ名やタグ名を指定することにより、ブランチやタグを追加できます。

【14】切り替え

 別のリポジトリへ切り替えます。

【15】ロック/【16】ロック解除

 ファイルにロックを掛けることができます。プロパティのsvn:needs-lockと組み合わせると、ファイルの編集にロックが必須となります。Office文書やバイナリファイルを編集する場合、この機能を利用するといいでしょう。

【17】プロパティを表示/【18】プロパティの設定

 プロパティの表示と設定ができます。

【19】マージ

 あるブランチ(もしくは、トランク)の変更内容を別のブランチへ反映させます。例えば、あるバージョンで修正したバグや機能追加を別のブランチへ反映させたいときに利用します。

そのほか

 ほかにも、パッケージ・エクスプローラからフォルダやファイルを選択し、[比較]を選択したときに、リポジトリ上の最新ファイル比較したり、リビジョンやブランチ、タグを指定したファイルとEclipseプロジェクト上のファイルと比較できます。また、置換も同様にリポジトリ上のファイルと置換できます。

Trac LightningでSVNはこんなに便利に

 Trac Lightningを利用すると、簡単にSVNのユーザー管理とパーミッションの設定ができます。ここでは、ユーザーの追加とパーミッションの設定の行い方を解説します。

ユーザーの追加

 Trac Lightningのプロジェクトのログインをクリックし、管理者権限でログインします(デフォルトの設定では、ユーザー名「admin」、パスワード「admin」)。管理メニューの[Accounts]→[Users]を選択すると、ユーザーの管理画面になるので、[Add external user]を選択し、追加するユーザーの情報を入力します(図20)。

図17 ユーザー追加
図17 ユーザー追加

パーミッションの設定

 SVNのパーミッションを設定するには、管理メニューの[Subversion]→[Subversion Access]を選択します。右下の[Add Path]にアクセス制御を行うパスを入力し、[Add]ボタンをクリックします。

図18 アクセス制御を行うパスの追加
図18 アクセス制御を行うパスの追加

 追加されたパスをクリックすると、パスのアクセス権の設定画面になります。右上から[ユーザとアクセス権(read/write)]を選択し、[Add]ボタンをクリックすると、アクセス権の設定は完了です。

図19 アクセス制御を行うユーザーと権限の追加
図19 アクセス制御を行うユーザーと権限の追加

 アクセス権を削除する際は、Removeにチェックを入れ「Change path members」(パスからメンバーを削除)や「Remove selected paths」(パスを削除)を選択してください。

バックアップ

 ファイルのバックアップはWindowsのスタートメニューから[Trac]→[バックアップ]を選択します。バックアップは、「TL_BACKUP_DIR」環境変数で指定したディレクトリへコピーされるので、共有ドライブやTrac/SVNのプロジェクトを格納しているディスクとは別のディスクのディレクトリを指定しておくといいでしょう。

 デフォルトのままでは、別ディレクトリへバックアップを取るだけなので、ディスクの障害が発生した場合復旧できないので、ご注意ください。

SVNの開発とビジネスモデルを知ってますか?

 本稿で紹介するSVNは、米CollabNetがスポンサーとなって開発をしています。また、Subversiveは米Polarionがスポンサーとなって開発しています。スポンサーとは、自身の社員が開発者となってオープンソースの開発を支援しているという意味です。オープンソースというと無料で利用できるので、開発も無料だと思われがちですが、開発にはそれなりの稼働が掛かります。趣味でオープンソースの開発の時間が取れるといいのですが、ほとんどの開発者は生活費を稼ぐ必要があり、なかなか難しいのが現状です。

 企業がスポンサーとなって開発する場合、オープンソースの開発者は企業から給与をもらいながら開発できるので、オープンソース開発者の生活も保証されます。ただ、企業も無料で公開するだけではビジネスにはならないので、オープンソースをベースとしたソリューションの提供、サポート、トレーニングなどで投資を回収しています。

 米CollabNetの場合は、プロジェクト管理ツールであるSourceForge Enterprise EditionにSVNを組み込んでソリューションとして提供したり、サービスを提供したりしています。また、SVNのトレーニングも開始しています。米Polarion社はプロジェクト管理ツールを有償で提供しています。

 SVNを利用される方は、これらのツールやトレーニングも採用を検討されるといいでしょう。SVNのスペシャリストが開発したツールや、実践ノウハウが詰まったトレーニングはきっと開発の役に立つと思います。詳細は、各社のホームページをご覧ください。特に、米CollabNetのSVNのトレーニングは実践的な講義を日本語で受けることができるので、試してみてはいかがでしょうか。


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