2011年6月22日、Eclipseの最新バージョンであるEclipse 3.7がリリースされました。Eclipse 3.5の「Gallileo」からは、Eclipseのリリースのネーミングは「G」「H」「I」とアルファベット順の単語で始まる名前が投票によって名付けられています。Eclipse 3.6「Helios」の次であるEclipse 3.7は「H」の次の「I」で始まる「Indigo」と名付けられました。
天才物理学者であるアイザック・ニュートンがプリズムにより光を7色に分解できることを発見したときに、紫の内側の色をIndigo(藍色)と名付けたことと、藍色がEclipseのカラーにマッチしている、響きがいいということからIndigoが提案され、投票により採用されました。
Indigoは新しいバージョンのEclipseといっても、Eclipse本体はすでに成熟の域に達しており、目を引くような機能追加はなくなってきています。それでも、Hudson/Jenkinsのサポートの追加、GUIアプリケーションやGWTによるWebアプリケーションをWYSIWYGで開発するWindowBuilderの提供、Mavenのサポートなどの機能追加がなされています。
また、最近広く使われてるようになった分散バージョン管理システムのGitを扱うEGitもバージョン1.0となり機能・安定性の面で十分実践投入できるようになってきています。
本稿では、Indigoの目に付く新機能の紹介とEclipseの最近の周辺事情について紹介します。
なお本稿では、Eclipse Java EEパッケージにBabelプロジェクトで開発されている日本語言語パックをインストールした状態で紹介しています。言語パックについては、Babelのサイトをご覧ください。今回は、言語パックを利用して日本語化しましたが、従来通りPleiadesも利用できます(Pleiadesの方が日本語化されるメッセージは多そうです)。
最近オラクルは、CIツールのHudsonプロジェクトについて、Eclipse Foundationへの移行を提案しました。Eclipseでタスク管理を行うMylynプラグインでも、3.7からHudson/Jenkinsのビルドを扱う「Hudson Connector」が提供されるようになりました(図2、図3)。
作成したHudson/JenkinsのタスクリポジトリでHudson/Jenkinsのジョブを管理できるようになります。ジョブを実行(Run Build)したり、Hudson/Jenkinsのジョブのページを見る(Plan)こともできます(図4)。
また、ビルドの詳細な結果もEclipseから確認できます(図5)。
ソースコードをEclipseへ取り込んでいれば、Hudson/Jenkins上で失敗したテスト結果をクリックするだけで、そのテストケースを調べることもできます。
Hudson/Jenkinsについて詳しく知りたい方は連載第21回の「「Hudson」改め「Jenkins」で始めるCI入門」を参照してください。
Eclipseプラグインの検索とインストールができる「Eclipse Marketplace」から、プラグインをEclipseのツールバーにドラッグ&ドロップするだけで、プラグインがインストールできるようになりました。
簡単にプラグインのインストールができるようになったので、どんどんプラグインをインストールしたくなります。
ドラッグ&ドロップによるインストールは、下記のドラッグ&ドロップ専用のページから行います。
次ページでは、さらにEclipse 3.7の便利機能を紹介します。
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