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「内定がもらえない」――焦るときこそマイペースを保て:理系学生のための「就活」お悩み相談室(5)(2/2 ページ)
いよいよ就職活動が本格化する。面接や自己分析などがうまくいかなくて、悩む場面も多くなるだろう。学生相談を担当するカウンセラーが、就活生の悩みに答える。
自分と友人の共通点・相違点を探してみる
自分の周りにいる友人たちと自分の「共通点」「相違点」を見つけ出し、就職活動に対する自分の価値観を再認識する方法をご紹介します。心理学者G.A.ケリーの「役割構成レパートリーテスト」を利用したワークです。ぜひ試してみてください。
- まず、あなたと友人Aにあって、友人Bにないものを書き出します
- あなたと友人Bにあって、友人Aにないものを書き出します
- あなたと友人Bにあって、友人Cにないものを書き出します
- あなたと友人Cにあって、友人Bにないものを書き出します
あなた | 友人A | 友人B | 友人C | |
---|---|---|---|---|
(1) | ○ | ○ | × | |
(2) | ○ | × | ○ | |
(3) | ○ | ○ | × | |
(4) | ○ | × | ○ |
人としての個性、就職や仕事への考え方の共通点や相違点は何でしょうか?
相談者U.Sさんは、内定をもらった友人、内定をもらえそうな友人たちと自分を比較し、下記の4つを書き出しました。
●(1)〜(4)のワークで書き出したこと
- 安定志向
- ユニークな発想や感性を重視する
- マイペース
- 堅実な考え方
●上記のワークで気付いた自分の価値観
- 自分は比較的、安定している堅実な生き方を望んでいる
- 穏やかな社風、地域密着型の企業で、自分のアイデアを生かせるところが希望である
- この観点で、再び就職活動を継続したい
いかがでしょうか。ワークでは、このように「あなたの価値観」が出てきます。冷静に分析すれば自分の優先したいものが明確になり、今後の方針が立てやすくなります。他人に惑わされることも減るでしょう。人との競争ではなく、自分の価値に従って生きていけば、楽になることもあるのです。
【参考文献】
- 遠藤由美『社会心理学―社会で生きる人のいとなみを探る』ミネルヴァ書房、2009年
- 唐沢穣・池上知子・唐沢かおり・大平英樹『社会的認知の心理学 社会を描く心のはたらき』ナカニシヤ出版、2001年
- 多湖輝『「弱いと思っていた自分」が意外に強くなれる心理トレーニング』大和書房、2003年
- マイケル・J・マホーニー編『認知行動療法と構成主義心理療法 理論・研究そして実践』金剛出版、2008年
筆者プロフィール
松浦 慶子
臨床心理士・日本カウンセリング学会認定カウンセラー。
国際基督教大学心理学科卒業、筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了 。大学、専門学校での学生相談や講師、精神科睡眠障害外来での医療相談、EAP機関・ピースマインドにて社員や家族のカウンセリングなど、幅広く相談活動を行っている。
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