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5分でわかるフェムトセル5分で絶対に分かる(3/6 ページ)

見た目は無線LANのアクセスポイントによく似ているけれど、実は一般家庭や小規模オフィス向けの携帯電話用の超小型基地局として動作する「フェムトセル」。その生まれた背景や今後果たす役割を解説します。

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2分 - フェムトセルが求められる背景

 現在の第3世代移動体通信システム(いわゆる3G)においては、主に1つの基地局で数百メートル〜数キロメートルの広範囲をカバーする「マクロセル」によって、携帯電話サービスを提供しています。近年は移動体通信方式の進化により通信速度が飛躍的に向上し、通話中の呼切断などもほとんど見られなくなりました。

 しかしながら、携帯電話所有率の増加と近年のスマートフォンブームによるデータ通信量の増大により、既存のマクロセルのみでは携帯電話ユーザーのニーズを満たすことが難しくなってきました。これらの状況を打破するために、マクロセルよりも小型の「マイクロセル」や「ピコセル」などが展開されていますが、とどまることを知らない携帯電話ユーザーのニーズに追いついていないのが現状です。

 フェムトセルは後述するメリットにより、マクロセルをはじめとする既存の基地局を効率的に補完し、携帯電話ユーザーのニーズを満たすうえで大きな役割を果たします。

 類似の打開策としてはWi-Fi通信が挙げられます。iPhoneなどの最近の携帯電話端末は、3GのインターフェイスだけでなくWi-Fiにも対応しています。前述したデータオフロードはWi-Fiを介しても実現可能ですが、公衆Wi-Fiスポットのセキュリティ問題に加え、携帯電話端末の電力消費が大きくなるなど、見逃せないデメリットが存在します。

図2 フェムトセルとWi-Fiの比較
図2 フェムトセルとWi-Fiの比較

 フェムトセルの場合は、3Gの、そして今後はLTEのインターフェイスを備える携帯電話端末(つまり、実質的にすべての携帯電話端末)で、端末側に特別な変更を施すことなく、また大きな電力消費を抑えつつ、透過的なサービス提供が可能です。

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