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クイズを解きながら、Windows Server 2012を理解する基礎から分かるMicrosoft Virtual Academy(5)(2/2 ページ)

マイクロソフトが提供している無償のオンライントレーニングサイト「Microsoft Virtual Academy(MVA)」の基礎を解説。

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Windows Server 2012のリモートコントロール性

 次の問題です。

【問題2】

 次の文章について、内容が正しいか誤っているかを選択してください。

「Windows Server 2012でサーバマネージャを使用すると、システムへのローカルログオン、または各サーバへのリモート・デスクトップ・プロトコル(RDP)接続を使用せずに、サーバおよびオフライン仮想ハードディスクに役割や機能をインストールする(プロビジョニング)できる」


 正解は「正しい」です。Windows Server 2008以降を使用していないエンジニアには意味が分からない質問かもしれません。

 Windows Server 2008以降、Active DirectoryドメインサービスやDNSといったサービスは、「役割(ロール)」としてWindows Serverにインストールするという思想になりました。従来の「Windows の機能の有効化と無効化」というコントロールパネルの機能は、Windows Serverでは使用しません。すべての役割や機能は「サーバマネージャ」と呼ばれる、集中管理ツールから追加・削除する必要があります。


 Windows Server 2008のサーバマネージャでは、ローカルコンピュータの管理だけが行えました。Windows Server 2008 R2からは、リモートコンピュータに接続して操作できるようになりましたが、役割や機能の追加と削除は各サーバのデスクトップから操作する必要がありました。

 このことは、「Unified Console(単一コンソール)」という、管理フレームワークの基本的な理念からかい離しているため、早急な改善を必要としていましたが、Windows Server 2012で、完全にリモートコンピュータを管理できるようになりました。

 サーバマネージャから操作できるのは役割と機能の追加・削除だけではありません。各役割に対応した管理ツールもリモーティングに対応しており、1つのサーバから大部分の操作をリモートコンピュータに対して行えます。GUIが用意されていない場合でも、Windows PowerShellコンソールを開けば、自動的にリモートサーバとのセッションが開きます。

 こうしたリモーティングの充実は、プライベートクラウドにとって、とても重要です。Windows Serverには Server Coreと呼ばれるインストール形態が用意されています。これは、GUIや無駄なモジュールを一切排除し、最小限のリソースでWindows Severを実行できるように用意されたものです。

 プライベートクラウドでは、仮想環境が利用できるリソースのプールがとても重要な要素ですが、仮想OSをホストするホストサーバが無駄なリソースを食ってしまっては意味がありません。Server Coreはそうした矛盾を解消し、ゲストOSに最大限のリソースを割り当てられます。

 問題は、管理です。GUIがないということは「おなじみの操作」ができないということです。これでは管理が遅延するばかりか、下手すればサービスの停滞を招きます。これをカバーするには、GUIが使用できる、リモートサーバからの完全な操作環境が重要です。Windows Server 2012のサーバマネージャはまさにそうした使い方を想定しています。

 とはいえ、管理の自動化という観点では、コマンドのスキルは必須です。特に、マイクロソフトはWindows PowerShellの充実に大きく力を入れています。今後、コマンド環境の主流はWindows PowerShell になるでしょう――と希望を込めて予言します。

Windows PowerShellの機能

 そこで、最後の問題は新しいWindows PowerShellについて。

【問題3】

 次の文章のうち、Windows PowerShell 3.0について正しく述べた記述はどれですか? 該当項目をすべて選択してください。

a.サーバが再起動しても、ワークフローによりスクリプトを継続し完了できる

b.Hyper-Vをコマンドレットから管理するには Virtual Machine Manager を購入する必要がある

c.統合スクリプト環境(ISE)は提供されていない

d.IntelliSense が統合されている


 正解は、a.とd.です。Windows Server 2012に実装されるWindows Management Framework 3.0には、多くのサーバ管理機能が実装されています。

 その中でも代表的なものが、Windows PowerShell 3.0(以降 PowerShell 3.0)。PowerShell 3.0 にはスクリプトからワークフローを実行する機能を組み込んでいます。これにより、バックグラウンドでパラレルに実行したジョブの結果を、別の場所の別のマシンから取り出したり、チェックポイント機能によってネットワーク切断やサーバダウンによって止まってしまったジョブを継続実行できます。

 これまで、スクリプトによるバッチ処理はサーバやネットワークの正常動作を前提にしていましたが、PowerShellとワークフローが合体することで、ジョブが永続化され、管理の堅牢性を高めることができます。

 また、PowerShell 3.0は、約2300種類のコマンドレットを用意しています。この中には、当然 Hyper-Vを管理するためのコマンドレットも含まれており、Hyper-Vを管理するだけならば、別途Virtual Machine Managerを購入する必要はなくなりました。

 そして、PowerShell 3.0 の特筆すべき機能が、新しい統合スクリプト環境(ISE)です。新しいISEにはVisual StudioでもおなじみのIntelliSenceが実装されています。コマンドレットやパラメタの入力途中で入力候補や書式を表示してくれるため、2300もあるコマンドレットのすべてを覚える必要はありません。

 この他、Windows PowerShell Web Serviceを使用して、社外から社内のWindows Server にPowerShellコマンドレットを送信し、ワークフローの結果を確認するといったことも可能になりました。そうです。どこからでもコマンドレットが打てるようになったのです。たとえスマートフォンからでも。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?

 Windows Server 2012の「思想」をメインに解説しました。クイズ形式だと、意外な発見もあったと思います。

 MVAでは、他にもWindows Server 2012に関するクイズを提供しています。解説資料も用意しているので、学びながらクイズを楽しめます。スキルアップを目指すエンジニア、クラウド技術を学びたいエンジニアの一助になれば幸いです。

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