クラウド学習のランクバトルで、日本1位を制した男基礎から分かるMicrosoft Virtual Academy(2)(1/2 ページ)

マイクロソフトが提供している無償のオンライントレーニングサイト「Microsoft Virtual Academy(MVA)」の基礎を解説。

» 2012年05月18日 00時00分 公開
[星暁雄@IT]

MVA日本ランキング1位の初音玲氏にインタビュー

 Microsoft Virtual Academy(MVA)は、マイクロソフトが運営する、クラウドベースの教育サービスだ。マイクロソフト認定資格プログラムなどの資格制度がカバーしていない新しい技術、特にプライベートクラウド構築に関わる知識を対象としたカリキュラムを無償で受講できる。南米で始まった本サービスを米マイクロソフトが本採用し、グローバル展開した。日本で始まったのは2012年3月と、まだまだ新しい。

 MVAは、勉強するたび、そして問題に正解するたびにポイントを獲得できる。各国ランキングとグローバルランキングという2つのランキングで常に自分の順位を確認できるので、ゲーム感覚で楽しむ人が多い。

 サービス開始早々、驚異的なスピードでポイントを獲得し、長いこと日本ランキング1位の座を保持している初音玲氏にインタビューした。MVAにはまった理由はどこにあるのか?

試しに触ってみたら、想像以上に面白かった

──長い間、1位の座に君臨し続ける初音さんに、まずは経歴をおうかがいしたいと思います。

初音玲氏 初音玲氏

初音:もう長いことエンジニアをやっています。Visual Basic3.0とOracle7でクライアント/サーバ型システムを作るような時代からソフトウェア開発をやっていました。

 当時は、今のように情報が豊富にあるわけではなかったので、手探りで技術を覚えました。今は、エンジニアを本業としながら執筆活動を続けています。最近は、Hyper-Vなどを使って、仮想化の仕事をしています。


──MVAを始めたきっかけはなんですか?

初音:マイクロソフトのエバンジェリストがブログでMVAを紹介しているのを読んで、試しに触ってみたのがきっかけですね。

 実際に触ってみると、思った以上にコンテンツが勉強になり、かつポイント形式が面白かったので、ついのめりこんでしまいました。

―――「勉強になる」というのは具体的には。

初音:いろいろありますが、一番大きいのは、インフラ系のコンテンツが体系的にまとまっている点ですね。こういうコンテンツは、ありそうでなかったのです。MVAは、問題を解く前にテキストを読んで勉強するのですが、これが適度なボリュームで、しかもきちんと体系立っているのが気に入っています。実務で使っている人にとっては復習の機会に、これから学ぶ人には体系的な導入になるコンテンツです。


ゲーム感覚でライバルとポイント争いするのが熱い

――テキストが役に立つ、というのはいいですね。クイズの方はどうですか?

初音:いやあ、面白いです。日本はまだ参加者がそれほど多くないのですが、世界ランキングの順位の変動はすごく大きいんです。1ポイント違うだけで100人抜きができてしまったりするので、勉強のモチベーションを維持する原動力になりました。

――─ポイントを獲得することが、モチベーション向上につながっているわけですね。初音さんのポイント数は2000ポイント以上とかなりの数ですが、どうやって実現したのですか。

初音:当初日本語のコースは6つしかなかったので、日本人でやる気のある人は、大体同じような点数になります(編注:本記事公開時点では9コースに増えている)。ライバルに差をつけるためには、英語のコースを受講するしかないということで、英語コースもどんどん勉強していきました。

──なるほど、ライバルの存在が大きいわけですね。

初音:他の受講者との競争は楽しいです。日本人には、平日の夜にポイントを積み重ねる人、週末にまとめて解いて一気に順位を上げてくる人というようにいろいろなタイプがいるので、なかなか油断できないんですよ。さらに、海外とは時差があるので、海外の受講者とは、抜いたり抜かされたりを日々、繰り返しています。

 あと、メダルの色がブロンズからシルバーに変わるなど、ランキング以外にも工夫がしてあるのもいいですね。


――英語が堪能でいらっしゃるのですか?

初音:全然そんなことはありません(笑)。

――英語のコンテンツは通常、なかなかハードルが高いと思うのですが。

初音:以前、Hyper-Vの仕事をしていたので、そこで得た知識を使えば、逆に英語のコースも楽に理解できるんじゃないか、といった軽い気持ちで受講しました。自分の知識の確認をしつつ、英語を読む勉強をする感じです。実際、技術用語は分かっているので、後は「not」とか「can」といった単語を拾っていけば「この技術を使えばこれはできる、あれはできないと言っているのだな」と、ある程度は予想できます。

――なるほど、技術と英語の勉強ととらえれば、面白くなりますね。

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