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「Oracle Super Cluster T5-8」はExadataの高速処理ロジック、SPARCサーバの性能・拡張性を併せ持つ構成に製品動向

「Oracle Super Cluster T5-8」が発表された。Exadataの高速処理ロジック、SPARCサーバの性能・拡張性を併せ持つ構成で市場展開する。

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 2013年7月8日、日本オラクルは同社がエンジニアドシステムと呼ぶ垂直統合型サーバアプライアンス「Oracle Super Cluster T5-8」の提供を開始した。

 「Oracle Super Cluster T5-8」は、2013年4月に発表した最新SPARCサーバ機「T5-8」を2ノード搭載(関連記事)、ストレージには288TBのExadata Storageと、60TBのZFS Applianceを両方搭載している。ネットワーク部はもちろんInfiniBandだ。

 ストレージについて詳述すると、「スマートスキャンクエリオフロード」と呼ぶExadata由来のデータ処理機能を持つExadata Storageと、汎用でかつ高い堅牢性を持つZFS Applianceを搭載、16.8TBのFlashキャッシュも搭載している。

 日本オラクル 執行役員 システム事業統括 飯尾光國氏は、価格性能比でのパフォーマンスの良さを示し、先に発表済みのT5サーバや、この日発表となったSuperCluster T5-8の採用や評価が既に国内の複数企業で進んでいることを発表した。


同製品のハーフラックと競合のIBM Power 780+DS8850の組み合わせと比較して、「価格性能比で」10倍のパフォーマンスであるとしている(日本オラクルの発表資料)

 同製品は拡張性や既存環境との接続性が考慮されている点も特長になっている。

 「データベースの処理を高速化するExadata Storageが実現するDB高速化だけでなく、SANであるZFS Applianceの両方に対応している。既存のSANストレージとの接続も考慮している」(製品説明に登壇した日本オラクル システム事業統括 プロダクトマネジメントオフィス チーフテクノロジスト 大曾根明氏)

 仮想環境としては、Solarisの持つ仮想化機構であるOVM(Solaris 10以降に対応)だけでなく、Oracle Solaris Zonesによる仮想化もサポートしており、バージョン8や9などの、OVMが対応していない旧Solaris環境も移植可能だ。

 Solarisだけでなく、Oracle Linuxについても処理性能を高めるためのチューニングを施してあり、オラクルのいう「Oracle on Oracle」、つまりハードウェアもOSもミドルウェアもオラクルで固めることで性能を最大化できるように作りこまれているという。

「RAC3連」構成をSuperCluster上で

 製品発表では、三井住友海上あいおい生命保険における先行導入事例も紹介された。導入プロジェクトでは、システムはMS&ADシステムズが担当、SIとしてはNTTデータが参加している。

 登壇したのはMS&ADシステムズ 生保ITサービス部 MSA基盤運用グループ マネージャーである原淳史郎氏。

 三井住友海上あいおい生命保険では、Oracle RAC(Real Application Cluster)+SANによる構成を取っていたが、ハードウェアの老朽化に加え、ストレージ障害を含めた可用性に課題を持っていたという。そこで、リプレイスのプロジェクトが立ち上がったのだという。

 プロジェクトでは、トランザクションが今後も増加することを前提に、組織再編計画への柔軟な対応、可用性などを考慮し、プライベートクラウド型のITインフラ構築を目指しているという。団体信用生命保険システムやコールセンター、保険商品販売代理店との接続を含むシステム全体のリプレイスである。処理性能では現在の3倍の能力を要件としている。

 「検討当初は、今までのRACによる冗長構成ではなく、アクティブ/スタンバイ構成を検討した。しかし、スタンバイへの切り替えソフトウェアを作り込む必要があり、この部分が将来的なリスク要因となる懸念があった。Oracleの推奨するMAA(Maximum Availability Architecture)構成に準じて、Active DataGuardによる物理バックアップと、GoldenGateによる論理バックアップを併用した、RAC環境を3連にする構成を採用することに決定した」(原氏)

 現在、本番稼働に向けたシステム設計や検証プロセスを進めており、2014年中には本稼働する予定だ。併せてWebLogic Server 12cとOracle Coherenceも採用しており、「ハードウェア、OS、ミドルウェアなどを全てオラクル製品で統一でき、システムパフォーマンスだけでなく、サポート窓口も一本化できるようになる」(原氏)と評価している。

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