日本オラクル、WebLogicとCoherenceの最新版を提供開始:Oracle Database 12cとの親和性などを強化
WebLogic Server 12.1.2では、Oracle Database 12cとの親和性などを強化された。一方のCoherence 12.1.2では、データベース側のデータ変更を検知し、自動で変更を反映するHotCache機能などが加わった。
日本オラクルは2013年7月31日、アプリケーションサーバ製品の最新版「Oracle WebLogic Server 12.1.2」とインメモリデータグリッド製品の最新版「Oracle Coherence 12.1.2」を提供開始した。
両製品は、同社のクラウドアプリケーション基盤製品群「Oracle Cloud Application Foundation 12c」に含まれるミドルウェア製品。昨年11月に提供開始された分散トランザクション処理製品「Oracle Tuxedo 12c」も同製品群に含まれる。
WebLogic Server 12.1.2では、2013年7月に正式版が提供開始(関連記事)された「Oracle Database 12c」との親和性が向上した。同データベースの特徴の1つであるプラガブルデータベースへのアクセス最適化や、データベースのクラスタリング機能「Oracle Real Application Clusters(RAC)」からノード障害の通知を取得し、残存ノードへ接続を切り替えてクエリを再実行する新機能「Application Continuity」に対応する。システム全体の可用性の向上につながるだろう。
さらに、次世代Web規格「HTML5」に含まれる関連技術「WebSocket」をサポートする。WeblogicからWebブラウザへのPUSH通信が可能となる。また、データベースとの連携モジュール「Oracle TopLink」も刷新され、データベースからWebLogicへのPUSH通信も可能となる。
その他、サーバの構成テンプレートを提供することで、システム拡張時の手動設定を不要にする「Dynamic Clusters」機能やCoherenceとの連携強化も図られているという。
一方のCoherence 12.1.2では、「Oracle Coherence GoldenGate HotCache」を搭載する。これは、異機種データベース間のデータ連携/レプリケーション製品である「Oracle GoldenGate」とCoherence間の連携機能。従来、Coherenceを経由しないデータベースへの直接のデータ変更はCoherence側で検知できなかったが、HotCacheを使うことで、データベース側のデータ変更を検知し、Coherenceのメモリグリッド上に変更を自動反映できるようになる。
また、最新版では、WebLogicの管理コンソールから一元的にCoherenceのサーバ管理を行えるようになった。管理作業を統一化し、スクリプト管理/デプロイによる自動化/一括化を促進する。
イベント処理機能の「Oracle Coherence Live Events」も機能強化された。メモリグリッドの変更イベントを傍受し、前処理ロジックや後続のイベント処理など追加処理を加えることができる。
さらに、可用性オプションが拡大し、物理マシンだけでなく、ラックごとやサイトごとでのデータ分散やシステム移行が可能となった。
WebLogic Serverの価格は、108万7000円/1プロセッサから(税別)、あるいは2万1700円/Named User Plusから。Coherenceは、50万円/1プロセッサから、あるいは1万900円/Named User Plusからとなっている。
Fusion Middleware事業について、日本オラクル 執行役員 Fusion Middleware事業統括本部長の桐生卓氏は、「顧客体験(CX)の向上支援や先進事例の増加、ビジネスの拡大・成長、アプリ集約基盤として活用拡大」などの要因により2013年度は堅調に事業が伸長したと説明。その上で2014年度は「アプリ基盤ビジネスの促進と強化、新規市場の創造と先進ソリューションの提供、Exalogicのビジネス推進」を注力分野としていくと語った。
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