アプリ開発者がビジネスで成果を得るためのガイドライン:還暦からのスタートアップ!(4/4 ページ)
Windowsストアに310個のアプリを公開した筆者が、実体験を交えながら日本マイクロソフト提供の「アプリのプロモーション〜 初めてガイド〜」を読み解いていく。iOS/Androidアプリ開発者もご参考に。
アーンドメディアの活用
筆者のようなローカル都市でSOHO稼業を営んでいるような人間は、アプリのプロモーションにアーンドメディアつまり、マスコミの力を使う機会などほとんどない。
ただマスコミに取り上げられれば、アプリの知名度が全国に広がり、ダウンロード数が増える可能性もある。しかし現実にはそんな機会はあまりないだろうし、そう甘くもないだろう。
その点、取り上げてもらえるかどうかは分からないが、各メディアに「プレスリリース」を送ることはできる。送らないと可能性はゼロのままだ。取りあえず送ってみるだけの価値はあるだろう。
ガイドでは、プレスリリースのテンプレートも紹介している。
なお筆者はライターでもあるから、いろいろなWebサイトで連載を書かせてもらっている。もちろん、この「@IT」も大切なクライアントの一つだ、他には「ThinkIT」で記事を書かせてもらっている。また以前には、「Build Insider」でも記事を書かせていただいていた。また、たまには雑誌にも記事を書くことがある。
こういった記事を書かせてもらっている場を利用し、自分の公開しているWindowsストアアプリのURLを記事の中に書いて、プロモーションに役立てていることもある。
これは結構宣伝力があると筆者は思っている。そのためには、読者に読んでもらえる記事を書くことが前提ではある。読者の興味を引く記事で「いいね」などが多く付く記事であるなら、当然WindowsストアアプリのURLにも目を通してみていてくれるはずだからだ。
自分でプロモーションサイトを立ち上げるもよし
これ以外にも、自分のアプリをプロモーションする方法はいくらでもあると思う。掲示板に書きこんで宣伝するのもよし、自分でプロモーションサイトを立ち上げるもよし、いろいろな手段が存在する。
特に、プロモーションサイトについては、最近はクラウド環境やCMS、サイト制作ツールが手軽に利用できるようになってきたので、すぐに立ち上げられるようになった。
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ただ、あまりにアプリの数が多いので、最近ではサイトの更新も滞っているが、自分のサイトで宣伝することは、まずは、第一にするべきプロモーションの一つだろう。ガイドでも、24〜25ページ目でモバイル/レスポンシブWebサイトへの対応や、ティザーの活用、SEOの重要性などを紹介し、オウンドメディアの活用を推奨している。
自分のアプリは、どの方法でプロモーションするとユーザーのダウンロードに効果があるかは、実際に多くのアプリを作って、いろいろな手段で宣伝し試してみる以外にない。
先に書いたが、筆者のプロモ―ションのメインは自分の公開しているアプリの操作方法を、動画で撮ってFacebookにアップロードすることだ。あくまでも筆者の個人的な意見だが、この効果は結構あったように思う。興味があれば一度試してみることをお勧めする。
プロモーションから収益化につなげる3つの方法
Windowsストアアプリで収益を得るためには、3つの方法がある。
- 有料アプリを作って公開する
- 広告を掲載して、広告収入を得る
- アプリに課金システムを組み込む
いずれの方法もそう簡単に収益を上げることはできない。筆者は5個ほど有料アプリを公開しているが、今までに売上金額が入金されたことがニ度だけある、金額は一度目が1万4000円ほど、ニ度目が1万2000円ほどだった。
有料アプリで収益を上げるためには、通常のビジネス用アプリより、ゲーム関係のアプリの方が、格段に効率が良い。しかし、筆者はゲームを作るノウハウは持ち合わせていないため、ビジネス用の有料アプリを販売している。収益は微々たるものだ。
しかし考えようによっては、1年のうちに合計で2万6000円ほどの有料アプリの収益があるのは、効率が良い方かもしれないと思うこともある。
ユーザーの要求にマッチするゲームが、万が一にでもヒットすれば、一攫千金も夢ではない。その場合、公開国を日本だけに限定することは望ましくない。内容を全て英語で記述して全世界を対象に入れたほうが、がぜん効率が良いのは明白だ。
ガイドでも、「グローバル市場向け設計」を推奨している。
広告に関しては、筆者も何点かのダウンロード数の多いアプリに広告を掲載している。しかし、この原稿執筆時点で、まだ一度も広告収入が振り込まれたことはない。
Windowsストアアプリに掲載する広告については下記のURLを参照してほしい。
課金システムに関しては、Windowsストアアプリの純正のシステムもあるが、サードパーティの課金システムを使うこともできる。例えば、開発者向けクレジットカード決済サービス「WebPay」のAPIをアプリに使うことも可能だ。
要は、有料アプリでも広告でも課金システムでも、ユーザーからダウンロードされるアプリを作らねば、収益を得るのは難しいということだ。開発者のアイデア次第、ひらめき次第と、そのアイデアを実現できるプログラム力が不可欠なのだと、筆者は思う。
プロモーションチェックリストも活用しよう
以上、簡単にではあるが、自分の経験も交えて「アプリのプロモーション〜 初めてガイド〜」を紹介したが、いかがだっただろうか。このガイドには、プロモーションのチェックリストもあるので、ぜひ印刷して活用してほしい。
さぁ、Windowsストアアプリを作って、自分のアプリを世界に羽ばたかせてみようではないか!
著者プロフィール
PROJECT KySS 薬師寺 国安(やくしじ くにやす)
1950年生まれ。フリーVBプログラマ。高級婦人服メーカーの事務職に在職中、趣味でVBやActiveXに取り組み、記事を執筆。2003年よりフリー。.NETやRIAに関する執筆多数。Windowsストアアプリも多数公開中(約270本)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。
PROJECT KySSは、1997年に薬師寺聖と結成したコラボレーション・ユニット
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