北陸コカ・コーラボトリングがOracle Exadata V1からX4への移行で「災害対策」「移行リスク最小化」のために取ったアプローチとは?:安全/確実なデータベース移行と災害対策のベストプラクティスを実践(1/3 ページ)
2010年に第1世代の「Oracle Exadata V1」を導入した北陸コカ・コーラボトリングは先ごろ、アプリケーションやデータの増大に対応すべく「Oracle Exadata X4-2」への移行を実施した。システムの停止時間を最短化してスムーズに移行し、障害/災害時の業務への影響を最小化するために同社が取ったアプローチはどのようなものだったのか?[プライベートクラウド/データベース統合][高可用性/災害対策][Engineered System][Data Integration]
高い可用性とパフォーマンスを求めてOracle Exadata V1を導入
富山、石川、福井、長野の北陸四県でコカ・コーラ製品の製造/販売を手掛ける北陸コカ・コーラボトリングは2010年、性能面で課題を抱えていた基幹データベース基盤を、Oracle Exadataの第一世代となる「Oracle Exadata V1」で刷新した。同社は先ごろ、このデータベース基盤を「Oracle Exadata X4-2」に移行。その際、北陸コカ・コーラボトリングのIT子会社として移行プロジェクトを遂行したヒスコムが活用したのが、オラクルのデータレプリケーション製品群である。
本稿では2015年2月に日本オラクルが開催した「Oracle Database Leaders Club」におけるヒスコム 取締役 システム部長の渡辺剛幸氏の講演を基に、プロジェクトの概要、Oracle Exadata X4-2の選定理由と導入効果、そして最短のデータベース停止時間でスムーズに移行し、移行後のシステムで障害/災害時の業務への影響を最小化するためにヒスコムが取ったアプローチを紹介する。
2010年のデータベース基盤刷新時、ヒスコムが新データベース基盤の選定基準として掲げたのは、「データベースサーバーで1ノードが故障しても、業務を通常通りに継続できること」「ストレージサーバーがI/Oのボトルネックにならないこと」などであった。検討の末、これらの基準をクリアした製品としてOracle Exadata V1が選ばれたのである。
その後、導入から5年が経過する中でデータベース基盤の利用規模が拡大し、同社は再びいくつかの課題に直面する。渡辺氏がまず挙げるのはパフォーマンスだ。
「V1導入時は、『どんなに堅牢なハードウエアも必ず故障する』という前提で、1ノードがダウンしても問題なく利用できることを第一の選定基準にしました。そして実際に、V1導入後の数年間は1ノードを止めてメンテナンスを行っても問題はありませんでした。しかし、システムの利用規模が年々拡大する中で、やがて1ノードが停止した際のレスポンス低下が顕著となり、ユーザーからクレームが寄せられるようになったのです。実は、その状態でもV1導入以前よりも十分に速いのですが、ユーザーがV1の高速なレスポンスに慣れてしまったのですね(笑)」(渡辺氏)
だが、1ノードも止められないとなると、必然的にメンテナンス作業に制限が生じる。パッチ適用をはじめとするメンテナンス時間の確保を考えると、1ノードも落とせないのは制約が厳し過ぎる。
また、5年間の運用中、1度だけ大規模なトラブルに発展しかねない問題が起きた。ストレージサーバーのHDDが1日の間に3台故障し、あと1台が故障すればシステムが完全に停止してしまうという状況に陥ったのだ。幸い、システムの完全停止は免れ、業務への影響も最小限に食い止めたが、これは渡辺氏に障害対策の重要性をあらためて認識させる出来事となった。
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年4月22日
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