全ての開発者が押さえておくべきマイクロソフトの最新技術動向:特集:Build 2015(2/5 ページ)
2015年夏に予定されているWindows 10/Visual Studio 2015のリリースとともに、マイクロソフトはどこに向かうのか。その最新動向をキャッチアップしよう!
iOS、Android、Linuxなどのアプリ開発
iOS/Android用のアプリをXamarin/Unity/Cordovaなどを利用してVS 2015で開発できるようになることは、2014年のプレビュー版リリース時に明らかにされている。そのことはBuild 2015に合わせてリリースされたVS 2015 RCでプロジェクトを作成するダイアログを見てみると実感できる(次の画像)。
VS 2015で非Windowsプラットフォーム向けのアプリを作る
上: VS 2015 RCでプロジェクトを作成するダイアログの一部である。左側のペインではC#用のプロジェクトテンプレートの分類が表示されている。[Windows]と並んで、[Android]や[iOS]といった項目もある。[iOS]の下には[Apple Watch]まである。右側には、Android用のプロジェクトテンプレートの一覧が表示されている(その中には[Wear App (Android)]もある)。これは誰でもダウンロードできるRC版である。VS 2015によるiOS/Androidアプリ開発はもう試せるのだ。
下: Apple WatchやAndroid Wearの開発に興味があるなら、「Wearables in C#: Highlighting Apple Watch, Android Wear, and Microsoft Band」の動画をご覧いただきたい(Build 2015のセッションではないが、同時に公開されたものだ)。この場面は、VS 2015で使えるApple Watch Designerを紹介しているところ。
Build 2015では、Linux/Mac OS X向け.NET Coreの早期プレビューの提供が開始された(GitHubでのソースコード公開)。これには、ASP.NET 5も含まれている。これらはコンパイラーなども含めて、オープンソースである(次の画像)。詳細は「特集:.NET大変革:.NET 2015とは何か」をご覧いただきたい。.NET Core上で構築したコンソールアプリやWebアプリが、Linux/Mac OS Xでも動作するのである。従来の.NET Frameworkと同様に「DllImport」もできるので、Linux/Mac OS XのネイティブAPIを呼び出すことも可能だ(Build 2015セッション3-670に詳しい)。
二日目のキーノートでは、WebアプリをiOS/Android/Windows(ストアアプリ)などのアプリに変換するツール「manifoldJS」とデバッガー「Vorlon.JS」が発表された。変換できるのは今のところW3CのWebアプリ規格に則ったものだけだが、Chrome AppsやFirefoxのOpen Web Appsなどもサポートする計画だという。
なお、Xamarin/Unity/Cordovaや.NET Core 5/ASP.NET 5を使った非Windows向けアプリ開発については、de:code 2015のセッションで詳しく解説される予定になっている。
.NET 2015のオープンソース
Build 2015のセッション2-687「Introducing ASP.NET 5」の資料より。
黄色の角丸枠で囲まれた部分がオープンソースになる部分だ。.NET Core/ASP.NETだけでなく、「MSBuild」を含むコンパイラー群やライブラリなども含まれている。
Office Graph API
クライアントアプリから利用できるWeb APIとして、これまでにBing Search API/Bing Maps API/OneDrive API/Office 365 APIなどが提供されている。Web APIなので、Windowsはもちろんのこと、iOSやAndroidのアプリやWebアプリなどからも利用できる。
Build 2015では「Office Graph API」が紹介された。グラフといってもデータを表す図形のことではなく、「グラフ理論」などというときのグラフである。ユーザーに結び付いている人/メール/ファイル/予定などを一元的にクエリできる仕組みだ(次の画像)。
なお、de:code 2015のセッションにはBing Maps APIやOffice 365 APIやPower BIなどもあるのでチェックしてみてほしい。
Office Graph API
Build 2015のセッション3-641「Supercharging Your Custom Solutions with the Office 365 Unified API Endpoint」の資料より。
上: Office Graph APIの全体イメージ図。ユーザーを起点としてリンクしている情報をクエリできる。
下: 予定をクエリするGETリクエストの例。
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