ハードとソフトの進化により、さらにコストパフォーマンスが高まった「Oracle Database Appliance X5-2」。その進化の内容は?:Oracle RAC開発陣が手掛けるコンパクトなDBアプライアンス(2/3 ページ)
Oracle Database Enterprise EditionやOracle RACをリーズナブルに導入したいという企業から高い支持を集めるOracle Database Applianceに、最新版となるX5-2が登場した。フラッシュ技術を活用してさらなる性能向上を果たし、従来と比べてコストパフォーマンスが大きく高まった同製品の強化ポイントを概観する。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][パフォーマンス改善][Engineered System]
強化ポイント1──フラッシュ技術の活用でOLTP性能が大幅向上。さらなる集約密度の向上を実現
Oracle Database Appliance X5-2は24基のディスクスロットを備えるが、これはX4-2と同数である。ただし、その内訳は標準で「HDD:16スロット、SSD:8スロット」であり、X4-2と比較してSSDが4スロット増えている。Oracle Database Applianceでは、従来SSDをトランザクションログの書き込みを高速化する目的で使用していたが、X5-2では増加したSSDを、ログ保存の他にデータベースキャッシュとして使うことで、処理の高速化を実現しているのだ。
「ODA Fast Flash Cache」と呼ばれるこのデータベースキャッシュ機能では、SSDをメモリの拡張領域として使用し、OLTP処理関連のデータブロックをI/O性能の高いSSD上に効率的に格納することができる。これはOracle Databaseの「Database Smart Flash Cache」と同等の機能であるが、ODA Fast Flash CacheではRACノード間で高効率なキャッシュ共有が行えるよう機能が拡張されており、さらなる性能向上に寄与しているという。
加えて、高速な内部接続を実現するために導入されたInfinibandのスループットを極限まで引き出すために、独自プロトコルとして「Exafusion Direct-to-Wire OLTP Protocol」を実装している。これはデータベースがOSを介さず、Infinibandに接続されたハードウエアに直接アクセスするものだ。OS側処理のオーバーヘッドがなくなるため、データベースインスタンスのキャッシュを共有管理する「RAC Cache Fusion」の性能が大きく向上するという。
もちろん、キャッシュだけでなく、データベースそのものをSSD上に置くこともできる。SSDの容量拡大と、その性能を引き出すためのさまざまな技術の採用が、Oracle Database Appliance X5-2のスループットを大きく向上させる鍵となっている。
「従来のOracle Database Applianceは、DWH/バッチ用途において重要になるスループットは極めて優れていました。Oracle Database Appliance X5-2では、SSDのパフォーマンスを最大限に活用する構成を取ったことで、結果的にトランザクション性能が重要視されるOLTP用途でも高いパフォーマンスを実現しています。DWHとOLTPを混在させる使い方にも自信を持ってお勧めできます」(山本氏)
強化ポイント2──Oracle Database In-Memoryの実行にも最適。インメモリ処理の性能向上と高信頼性を両立
Oracle Database Appliance X5-2の二つ目の強化ポイントは「Oracle Database In-Memory Fault Tolerance」だ。これはOracle Database 12cのインメモリオプション「Oracle In-Memory Database」に対応した機能であり、大規模なメモリ上に展開されたデータに冗長性を持たせることができる。万が一、サーバー障害が起きた際には、他のサーバー上のメモリにコピーしてあるデータへ透過的にフェイルオーバー処理を行い、ダウンタイムを最小化する。
Oracle Database Appliance X5-2では、In-Memory Fault Toleranceを2ノードまでサポートしている。DWHとOLTPを融合したデータ活用のリアルタイム化などを図る際、インメモリ処理によるパフォーマンス向上と、高い可用性/耐障害性を両立できるというわけだ。
「複数のワークロードを混在させたまま集約したいというお客さまでは、今後、さらなるパフォーマンス向上のためにOracle Database In-Memoryの導入を検討するケースが増えてくるでしょう。Oracle Database Appliance X5-2を使えば、ハードウエアとソフトウエアを合わせて約1000万円というリーズナブルな価格で、高性能かつ信頼性の高いインメモリデータベース基盤を構築できます。Oracle Databaseをベースにしているため、これまでに培ったシステム構築や運用管理の手法/ノウハウをそのまま生かせることも大きなポイントです」(山本氏)
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年7月2日
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