Oracle Databaseを例に見るデータベース高速化のポイントとスナップショットを例に探る運用改善のヒント:データベース高速化のいま(3)(1/3 ページ)
今回は、2015年9月11日に開催した@IT編集部主催セミナー「DB高速化道場」から、Oracle Databaseの性能改善を題材にした二つのセッションをリポートする。データベースパフォーマンス改善のトピックではあるが、運用改善にも効果が期待できる内容だ。
特集:データベースパフォーマンス最大化の技術
組織の重要な資産の一つである「データ」を支えるデータベースシステム。特集ではハード・ソフトの両面からデータベースシステムを最適化、高速化する手法を紹介。特集ではデータベース管理者が主導してデータ資産の価値を高める方法を考える。
今回はフラッシュストレージアレイによるデータベース性能改善と併せ、運用面でストレージ側の機能を活用するヒントも紹介する。
@IT編集部の主催セミナー「DB高速化道場」(2015年9月11日開催)には複数のITベンダーが登壇し、データベース性能を改善するためのさまざまなアプローチを紹介した。本稿ではその中から、「Oracle Database」を例にした二つのセッションを紹介する。両セッションでは、製品ごとのストレージOSの特性だけではなく、Oracle Databaseに特化した性能改善の実例や、運用プロセス改善のヒントも聞くことができた。
EMCはXtremIOで「一貫性のあるI/O待機時間」によるデータベース運用の再定義を提唱
「EMC XtremIO」は米EMCが開発・提供するオールフラッシュアレイ製品だ。「従来のストレージアレイ製品にフラッシュディスクを搭載したもの」とは異なり、当初からフラッシュストレージに最適化されたアーキテクチャを採用している点を特長の一つとしている。そのため、「パフォーマンスやスケーラビリティ、運用効率の面で従来のフラッシュストレージ製品とは明らかに一線を画す」(図研ネットウエイブ 営業本部 第二営業部 専任部長 杉山俊氏)という。
杉山氏は、「ORACLE DBのパフォーマンス最適化への現実解とは?」と題した講演で、EMCが扱うストレージ製品である「EMC XtremIO」がOracle Databaseの高速化にも効果があることを示した。
杉山氏は、データベースの性能を高める際、「平均パフォーマンス時間の数値では実態を把握できない」と指摘。平均値では見えないボトルネックを解消する必要があり、そのためには「一貫性のあるI/O待機時間」を維持することが重要であると強調。EMC XtremIOの適用によりパフォーマンスの改善が期待できるとした。
EMCのExtremIOのラインアップである「X-Brick」は、メモリ内にメタデータを置くアーキテクチャを採用しており、ガベージコレクション処理による応答遅延が発生しないこと、スケールアウト時のI/O分散などを特長とする。これらは、ExtremIO独自のストレージOS「XtremIO Operating System(XIOS)」の実装による。
「オールフラッシュによりOracle Database環境の大幅なパフォーマンスアップが期待でき、チューニングが不要になる。また、独自のスナップショット機能によりデータベースのスナップショットを瞬時に作成できるため、本番環境だけではなく、そのコピーを使った開発/テスト環境やDWH環境を統合して、容量効率を最大限に高めることができる」(杉山氏)
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