マイクロソフトとレッドハットがクラウドで提携:統合管理、互換性も強化
米マイクロソフトと米レッドハットはクラウドサービスに関して提携すると発表した。.NETに関して協業することも明らかにした。
米マイクロソフトと米レッドハットは2015年11月4日、クラウドサービスに関して提携すると発表した。マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure(以降、Azure)」で、Linux動作環境の優先的選択肢として「Red Hat Enterprise Linux(以降、RHEL)」を提供する。さらに両社は、プライベートクラウドとパブリッククラウドにまたがって、レッドハットが提供するソフトウエアを利用したアプリケーションの構築・配置・管理などを行うためのツールを提供する。
今後数週間以内に、マイクロソフトはレッドハットの認定クラウド&サービスプロバイダーに認定される予定。これによって、「Red Hat Cloud Access」のサブスクリプションライセンスを持つユーザーは、RHELの他、「Red Hat JBoss Enterprise Application Platform」「Red Hat JBoss Web Server」「Red Hat Gluster Storage」など、レッドハットが提供するソフトウエアを利用した仮想マシンイメージをAzure上で実行できるようになる。さらに今後数カ月以内に、両社は「Red Hat On-Demand」を提供する予定。これは、「Azure Marketplace」上で利用可能な従量課金のRHELイメージで、レッドハットからサポートを受けられる。
今回の提携によって、マイクロソフトとレッドハットの製品をまたぐクロスプラットフォームなサポートを統合的に受けられるようになる。同一施設に両社のサポートチームを配置することで迅速なサポートを提供するという。
また、マイクロソフトのクラウド管理ツール「System Center」で、RHELを管理する既存の機能を拡張し、レッドハットのクラウド管理ツール「Red Hat CloudForms」からAzureのワークロードを管理する機能を提供する予定。さらにAzureや「System Center Virtual Machine Manager」とRed Hat CloudFormsが協調動作するようになり、Red Hat CloudFormsを使って、Hyper-VとAzureのどちらで稼働するRHELも管理できる。
また、.NETに関する協業についても明らかにした。両社は協力して、「Red Hat OpenShift」やRHELの他、各種レッドハットのソフトウエア製品で、.NETの技術を利用できるようにする。Linux上で動作する.NET Coreの主な開発/参照OSをRed Hat Enterprise Linuxとする。
.NET Coreは「.NET 2015」で登場した.NET Frameworkのサブセットと位置付けられているもの。.NET 2015自体は、マルチプラットフォームを意識した構成になっており、.NET Coreは、OS XやLinuxといった非Windows環境での.NETアプリケーションの展開を支えるカギとなる機能群といえる(関連記事:「.NET 2015とは何か」)。
関連記事
- 特集:C#×JavaScript:C#開発者のための最新JavaScript事情(クラス定義編)
本稿では、C#とJavaScriptにおけるクラス定義を比較し、TypeScriptやECMAScript 2015でJavaScriptプログラミングがどう変わるかを見ていく。 - PaaS最新事情:レッドハットが発表したOpenShift Enterprise 3は「Dockerを知らなくても使える」基盤
レッドハットが2015年7月22日に国内発表したPaaS製品「OpenShift Enterprise 3」の最大の狙いは、Dockerを知らなくてもアプリケーションの開発・運用ができるようにすることだという。ここでは、レッドハットの日本法人の説明に基づき、OpenShift Enterprise 3を紹介する。 - 国内企業の関心は高い:レッドハット、OpenStack/仮想化の最新製品を説明
レッドハットは1月28日、米国本社が1月22日、全世界的な提供開始を発表したOpenStack/仮想化製品の最新版について説明した。国内企業におけるOpenStack製品の導入例が出始めているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.