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データベースウォッチャーが振り返る2015年、「次に“来る”DBの技術トレンド」とはDatabase Watch(2015年総集編)(1/3 ページ)

クラウド、IoT、ビッグデータ、あるいは機械学習やAIなど、これまで“ITバズワード”だった技術が、急速に実需として具体化しています。その“データ”はどこに蓄積されるのか。そう、データベースです。データベースの最新事情を追う連載「Database Watch」から、2015年の動向を振り返り、「次に“来る”DBトレンド」を先読みします。

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 2015年は、これまで“ITバズワード”と思われていた技術が急速に実需として具体化してきました。クラウド、IoT、ビッグデータ、あるいは機械学習やAIなどです。では、その膨大に増えている“データ”は、どこへ集まっているのでしょう。「データベース」です。

 クラウドが“当たり前”になった時代を迎え、今まで以上に重要性を増しているデータベースソフトウエアとその技術。この最新事情を追う連載「Database Watch」から、2015年の動向を振り返りましょう。あらためて、データベースは時代の潮流に合わせて機能追加や性能強化がなされ、常に変化を続けている面白い分野だと思います。2015年によく読まれた記事は以下の通りでした。


photo 正式提供された「IBM Watson Analytics」
(「"Watson"はどんなDBで動いている?」から)

 年間トップは、2015年1月に掲載した「"Watson"はどんなDBで動いている?」でした。2015年、IBMの「Watson」がさまざまな方面から大きく注目されました。Watsonは大量のデータ分析と自然言語処理を得意としており、独自のモデル化から“何か”を探し出し、人間の問いに答えます。なお、IBMはWatsonを「人工知能」ではなく、「コグニティブ(認知型)コンピューティング」と呼んでいます。

 Watsonは他にも、2015年9月に「話題のWatsonをBluemixで使うには」として取り上げました。Watsonは1年で4年分の進化を遂げると言われています。IBMのPaaS(Platform as a Service)である「Bluemix」で“すぐ使える”ようになるなど、Watsonをめぐる状況が大きく進化していると実感しました。2016年はどういう形で進化があるでしょう。こちらは今後もウォッチしていきます。


photo データモデルの例(出典:Rik Van Bruggen『Learning Neo4j』)
(「グラフデータベースはどんな用途に向いている?」から)

 2位はグラフデータベースの概要を解説した「グラフデータベースはどんな用途に向いている?」でした。こちらは、2015年に出てきた新しいタイプのデータベースです。

 「グラフデータベース」は、リレーショナルデータベースではなく、NoSQLとしても特殊です。データの関係性を重視したデータベースで、ソーシャルネットワークサービス(SNS)と相性が良いデータ構造をしています。ここで例にしたのは「Neo4j」でしたが、2016年に登場予定の「Oracle Database 12c R2」でもグラフデータベースとしての機能強化が盛り込まれます。2015年末現在は、まだ身近ではないかもしれません。しかし、SNSのようなリアルタイム性のあるデータの活用は今後いっそう重要性を増してきます。2016年はどのように普及が進むでしょうか。

 併せて、データベースソフトウエアの主力ベンダーであるオラクルの動きもかなり大きいものでした。3位には2015年11月に掲載した「オラクルが確約した“クラウド6箇条”と“Database 12c R2”の気になるトコロ」が入りました。世界中から6万人以上が訪れるという米オラクルの年次イベント「Oracle OpenWorld」で示された戦略や方向性は、データベースウォッチャーである筆者はもちろん、データベースエンジニアなどの読者の皆さんとしてもスルーする訳にはいきません。データベース処理の高速化とセキュリティ性を両立する技術「SPARC M7に実装された“Software in Silicon”とは何か」とともに、2016年には注目しておくべき項目になりそうです。

photo Oracle OpenWorld 2015の基調講演でクラウド戦略やOracle Database 12c R2を説明するオラクルのラリー・エリソンCTO
(「オラクルが確約した“クラウド6箇条”と“Database 12c R2”の気になるトコロ」から)

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