6割弱の企業がデータ分析ツールのリプレースを検討――ITR調査:ユーザーが現在利用している環境は「高い」「使いにくい」
アイ・ティ・アール(ITR)は、RDBMSやDBMSアプライアンス、データ分析/レポーティングなどを対象とした市場調査レポートを発刊した。それによると、現在利用しているデータ分析/レポーティング製品/サービスのリプレースを予定している企業は6割近くに上った。
アイ・ティ・アール(ITR)は2016年1月6日、市場調査レポート「ITR Cross View:DBMS/BI市場の実態と展望2015 〜ユーザー調査と市場調査結果〜」を発刊した。同レポートは、RDBMSやDBMSアプライアンス、データ分析/レポーティング、DWH(データウェアハウス)用DBMS、データマイニング、テキストマイニングの全6分野が対象。同社はその中のデータ分析/レポーティング市場について、リプレース予定時期とリプレースを予定または検討する理由についての調査結果を公表した。このレポートは、2015年3月に実施したITRの独自パネルを対象としたインターネット調査の内容を基にしている。有効回答数は409件。
それによると、現在利用しているデータ分析/レポーティング製品/サービスをリプレース予定としている時期は、2015年度(2016年3月まで)が23.7%、2016年度(2016年4月〜2017年3月)が12.4%だった。中長期的に予定/検討中を含めると6割近い企業がリプレースを検討していることが明らかになった。
背景にはシステムのクラウド移行やセルフサービスBIの台頭が
リプレースの理由としては、「運用コストが高い」が26.2%で最も多く、「ベンダーのサポートが悪い」が15.1%、「操作性が悪い」が13.3%だった。この他、「セキュリティが不安」「大規模システムへの対応が弱い」「グローバル対応がない」などの理由が続いた。
こうしたリプレースの検討が増えている背景として、ITRでは次のように分析している。
まず、「Tableau」や「Qlik Sense」などのような視覚化と操作の簡便化に優れ、安価に導入できる製品が台頭していること。これらの製品は、従来のような分析の専門家だけでなく、「セルフサービスBI」を言われるように、一般の従業員が利用できるように操作性の向上を図っている点が特徴だ。さらに、クラウドシステムへのデータ移行が拡大しつつあり、データ分析/レポーティングをSaaS(Software as a Service)で利用する機会が増えていることも、リプレース検討の要因となっているとしている。
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