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CentOS 7の標準環境だけですぐできる、WordPress「5.4倍高速化」テクニック 後編とにかく速いWordPress(4)(3/3 ページ)

エンタープライズ用途での利用が増えている「WordPress」の高速化について解説する本連載。今回はCentOS 7の標準環境でWordPressを「5.4倍まで高速化」するテクニックの後編をお届けします。

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今回までに行ったWordPress高速化チューニングまとめ

 第2回第3回、そして、今回行ったWordPress高速化チューニングの効果をまとめると以下になります。

チューニング内容 ページのロード時間
(デフォルト環境比)
1秒当たりの同時アクセス数
(Requests per second)
デフォルト環境 176ms 11.24
APCの導入
 チューニング方法をおさらい
70ms(約251%) 29.20
OPcache+APCuを導入
 チューニング方法をおさらい
66ms(約266%) 30.51
MariaDBの設定を調整
 チューニング方法をおさらい
64ms(約275%) 31.82
翻訳アクセラレータを導入(キャッシュ)
 チューニング方法をおさらい
53ms(約332%) 39.29
翻訳アクセラレータを導入(翻訳を停止)
 チューニング方法をおさらい
36ms(約488%) 56.78
gzip圧縮を用いる
 チューニング方法をおさらい
35ms(約502%)
Tunedの調整
 チューニング方法をおさらい
34ms(約517%) 58.47
event MPM+php-fpm構成に変更
 チューニング方法をおさらい
33ms(約537%) 60.79
AWSユーザーならば場合によって……
 チューニング方法をおさらい
31ms(約567%) 71.76

 CentOS 7標準のリポジトリを利用して、ページキャッシュを利用しない範囲で「約5.4倍」のパフォーマンス向上を果たせました。

AWSユーザー向けのワンポイント

 Amazon Web Services(AWS)利用者向けの裏技を紹介します。今回検証で利用した仮想マシンはAWSのAmazon EC2 t2.mediumインスタンスですが、Amazon EC2のインスタンスが利用するCPUは、仮想マシンを起動するタイミングで割り当てられます。必ずしもいつも同じCPUが割り当てられるのではなく、近い性能のCPUが割り当られる場合があります。

 今回は当初、「Xeonプロセッサー E5-2670 v2」が割り当てられていましたが、検証作業で何度か停止/起動を繰り返していると、新しいE5-2600 v3ファミリーである「Xeonプロセッサー E5-2676 v3」が割り当てられました。このCPUが割り当てられると、event MPM+php-fpm構成の導入後のパフォーマンスでページのロード時間が31ms、Requests per secondは71.76となり、さらに約18%のパフォーマンス向上となります。


次回は、“ページキャッシュの導入”などで「さらに高速化」するテクニックを紹介

 次回は、今回の環境をさらにチューニングする、CentoOS 7標準のリポジトリに限定しない場合とページキャッシュの導入も含めた「さらなる高速化テクニック」を解説します。高速であるという点のみではありますが、プライム・ストラテジーが開発し、無償提供しているWordPress仮想マシン「KUSANAGI」に匹敵するレベルまで速さを追究する予定です。お楽しみに。

筆者紹介

中村けん牛

1971年栃木県生まれ。中学1年生で電波新聞社の『マイコンBASICマガジン』にプログラムを寄稿して以来、プログラミング歴30年。早稲田大学法学部を卒業後、野村證券に入社。公認会計士第二次試験合格。2002年にプライム・ストラテジー株式会社を設立、代表取締役に就任する。2005年にPT. Prime Strategy Indonesiaを設立して以来、アジアでのITビジネスに携わる。執筆監訳書籍に『WordPressの教科書』シリーズ(SBクリエイティブ)、『詳解 WordPress』『WordPressによるWebアプリケーション開発』(ともにオライリー・ジャパン)などがある。


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