コネクテッドカー向けのオープンソース共同開発プロジェクト「Automotive Grade Linux」にオラクルやTIらが加入:メンバーは70社以上に
Automotive Grade Linux(AGL)に、オラクルやテキサス・インスツルメンツ(TI)など、6社が加入した。AGLのメンバーは、合計で70社以上になった。
The Linux Foundationは2016年5月10日(米国時間)、車載システム向けのオープンソースプロジェクト「Automotive Grade Linux(AGL)」に、Movimento、オラクル、クアルコムイノベーションセンター、テキサス・インスツルメンツ(TI)、UIEvolution、VeriSiliconの6社が加入したと発表した。Movimento、UIEvolution、VeriSiliconの3社は、同時にThe Linux Foundationにも加入した。
AGLは、コネクテッドカーの共通基盤となるLinuxベースのソフトウェアスタックを開発するオープンソース共同開発プロジェクト。日本企業も、マツダ、三菱自動車、日産自動車、富士重工業、トヨタ自動車、アイシン・エィ・ダブリュ、デンソー、富士通テン、三菱電機、NTTデータMSE、パナソニック、パイオニア、ルネサス エレクトロニクスといった自動車メーカーや車載機器向け部品メーカーが名を連ねる。今回参加した6社の他にも過去1年間で30社がAGLに加入しており、2016年現在、70社以上が参加する。
2016年1月に米国ラスベガスで開催されたCES 2016でAGLは、車載機器向けに新たに開発した「Unified Code Base(UCB)」と呼ぶLinuxディストリビューションを公開した。UCBは、自動車専用アプリに向けてゼロから開発したもの。ナビゲーションや通信、安全性、セキュリティ、インフォテインメントなどの機能を備えている。
またAGLは、同年2月に東京でも「All Member Meeting」と呼ぶイベントを開催。メンバー企業39社のエンジニアや開発者らが集まり、AGLのオープンソース技術に関する情報共有や協業強化を図ったという。
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