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私は技術オタク――エンジニア出身社長の「フロリダでのゴルフ三昧よりも楽しいこと」Go AbekawaのGo Global!〜Tom Lagatta編(2/3 ページ)

クラウドでアプリケーションのオンデマンド提供を行う「Numecent」CEOのTom Lagatta氏。元エンジニアであるLagattaに、エンジニアのキャリアパスや、エンジニアが活躍するために必要なマインドを伺った。※Lagatta氏から日本のエンジニアへのメッセージ動画付き

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引退を2週間で切り上げさせた「エンジニアの心」

阿部川 Broadcom(ブロードコム)からNumecentに転職されたのは、どのような理由からですか?

ラガッタ氏 実は、2014年にBroadcomを辞めたときは「引退」したつもりだったのです。実際に休んでいられたのは、それから2週間足らずでしたが。

阿部川 それは引退というよりも……(笑)。

ラガッタ氏 休暇でしたね(笑)。その2週間も、半分はコンサルタントとして働き、残りの半分でゴルフをしていました。その「引退期間」にCloudpagingのことを知ってしまったのです。

 Cloudpagingは他の企業が持っていない技術でしたし、その将来性を考えるのはとても楽しかった。Numecentには独自の技術があるし、素晴らしい人々もいる。そこで「引退は撤回しよう」ということになったのです。

 「悠々自適の引退ライフ」や「半導体関連企業の営業担当取締役になる」などの選択肢は、私には何の魅力もありません。それよりも新しい技術やビジネス分野に関わりたいのです。私はエンジニア出身ですし、心は今もエンジニアです(“I'm an engineer at heart”)。毎日ゴルフをして満足できるわけはありません(笑)。

技術かマネジメントか――エンジニアが直面する「魂の模索」

阿部川 ラガットさんはエンジニア出身ですが、そのバックグランドはマネジメントを行う上で役立っていますか?

ラガッタ氏 良い質問ですね。全てのエンジニアは、8〜12年くらいエンジニアとしてキャリアを磨いたあと、必ず分岐点に到達するものです。このままエンジニアを続けるべきか、ビジネスマネジメントの方にいくべきか。

 エンジニアを選んだ場合も、それはエンジニアをマネジメントする立場になるのか、純粋にエンジニアとして業務に貢献するべきかと。例外なく全てのエンジニアが、この「魂の模索」ともいうべき選択肢に悩みます。

 私はビジネスの方が好きでした。ビジネスの大きな図式を描いたり、戦略を作ったり、取り引きして競合に勝ったり、交渉したり、ユーザーに会いに行ったりといったことが好きでした。

 しかし全てのエンジニアがこういったことが好きなわけではありません。とはいえ、技術関連の企業を経営しようと思ったら、技術のバックグランドがあるに越したことはありません。技術が分からなければ、エンジニアの話を理解できないでしょう。私は自分の選択をまったく後悔していません。

阿部川 以前、スコットマクネリーさんにインタビューした際、彼も「これからの企業経営者は、IT企業の経営者に限らず、技術を学ぶべきだ」とおっしゃっていたことを思い出しました。

ラガッタ氏から読者へのメッセージ「今の仕事を楽しめば、自ずと機会は訪れてきます」(日本語字幕付き)

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