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開発者は最新技術情報をどこで得ている? SlashDataが世界の開発者を調査新人とベテランの情報収集源の差も明らかに

SlashDataは開発者の情報収集に関する調査、第27回「Developer Nation」の調査結果を公開した。開発経験による違いや地域による差などが指摘されている。

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 SlashDataは2024年10月26日(米国時間)、開発者の情報収集に関する調査、第27回「Developer Nation」の調査結果を公開した。同社は以下のように調査内容を紹介している。

開発者が情報を得る主要な手段は?

 調査では、世界中の開発者がソフトウェア開発に関する主な情報収集に使用するのは、オープンソースコミュニティー(43%)とソーシャルメディア(41%)ということが分かった。これに対し、ベンダー主催のイベントを利用する開発者は3%で、ミートアップやハッカソンなどの他の情報源も、開発者の関心は限定的(約14%)だった。ベンダー主導のリソース(※)は、開発者の約40%が利用している。

(※)「ベンダーの公式Webサイト」「公式ニュースレター」「ベンダーが主催するその他のイベント」のいずれかを指す


ソフトウェア開発者が使用する情報源(提供:SlashData)

ベテランと新人では意思決定要因が大きく異なる

 ソフトウェア開発経験の長さは、情報源の選択に際立った影響を与える要因の一つだ。実際、経験豊富な開発者(少なくとも10年以上の経験者)は、ソフトウェア開発に関する情報を入手し、最新情報を得るために、新人開発者(2年未満)に比べて、より多様な情報源を活用している(新人が平均3.5種類を利用するのに対し、経験者では4.3種類を利用する)。

 しかし、経験レベルによって異なるのはリソースの幅だけでなく、チャネルの好みも異なる。例えば、経験豊富な開発者は最新の情報を得るために、ベンダー主導のリソースに大きく傾く(52%対32%)のに対し、新人開発者の半数近くは、情報をソーシャルメディアに依存している(経験豊富な開発者では31%)。

 また、新人開発者は、経験豊富な開発者よりも会話型AIサービス/チャットbotを利用する傾向が高い(30%対22%)。

 その他の情報源としては、オープンソースコミュニティーやQ&Aサイトの利用、著名な同業者の意見を聞くことが、経験豊富な開発者の間で上位を占めている。


経験年数別ソフトウェア開発者が利用する情報源(青:ベンダー主導のリソース、水色:オープンソースコミュニティー、橙色:ソーシャルメディア、紺色:会話型AIサービス/チャットbot)(提供:SlashData)

地域によって異なる利用率

 もう一つの重要な要因は、開発者が拠点を置く地域だ。リソースへの依存が他と比べて限定的な地域がある。例えば、アジア(中国と日本を含む)の国々は、他の地域に比べて情報源の利用度が低い。

 同時に、各地域の開発者は、どのタイプの情報源を利用するかという点で、さまざまな好みを持っているようだ。例えば、西ヨーロッパの開発者は、カンファレンスやイベントに参加する傾向が他の地域の開発者の平均よりもかなり高い(38%対26.8%)のに対し、ラテンアメリカの開発者は、ソーシャルメディアや尊敬する同業者をフォローする傾向が他の地域の平均よりもかなり強い(ソーシャルメディア:59%対40%、同業者のフォロー:51%対36.2%)。同様に、CEMA(中央および東ヨーロッパ、中東、アフリカ)を拠点とする開発者は、他の地域の平均よりも、ベンダー主導のリソースを利用する傾向にある(47%対40%)。

 米国では、ベンダー主導のリソースは41%の開発者が利用しており、コミュニティー主導のリソース(コミュニティーのWebサイト、フォーラム、グループ)がわずかな差で2位となっている。米国の労働市場の混乱が続いているためか、米国の開発者の3分の1が、セミナーへの参加や、トレーニングコース、ワークショップを受講するなどしてスキルアップを優先している。


地域別情報源の利用率(CEMAとは中東欧、中東、アフリカを指し、CANZUKとはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国を指す)(提供:SlashData)

情報源の選択に影響を与えるその他の特徴

 Web開発者やバックエンド開発者、サードパーティーのエコシステム向けにアプリや拡張機能を開発する開発者は、他の分野の開発者と比較して、情報源の好みだけでなく、利用する情報源の数(4.2対3.5)においても似た行動をとることが、調査データから明らかになっている。具体的にはベンダー主導をベースとしたリソース(ドキュメントやフォーラムなど)と非公式/コミュニティーベースのリソース(Q&Aサイトやオープンソースコミュニティーなど)の両方をフォローして、多様なリソースポートフォリオを使用し最新情報を入手する傾向にある。

 もう一つの興味深い発見は、ML/AI(機械学習/人工知能)、組み込みソフトウェア開発、産業用IoTに関わる開発者の3人に1人以上が、セミナー、トレーニングコース、ワークショップを通じてスキルを磨こうとしていることだ。

 以前はAR/VR(拡張現実/仮想現実)開発者の方がトレーニングに熱心であったが(2023年第3四半期:約33%)、ML/AIとAR/VRの分野が二極化している現状を浮き彫りにしている。前者は生成AIモデルの目覚ましい進歩により企業からの追加投資が続いており、後者はやや後回しにされている。

 先に述べた大半の地域(ラテンアメリカを除く)では、結果は地域間で一貫しており、これらの調査結果が地理的な立地効果に起因するものではないことを意味している。

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