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三菱アルミニウムがマルチテナント機能で販売/生産管理データベースを一挙集約し、事業継続性も強化。その選択の理由とは?基幹DBのBCP対策強化、管理性と性能の大幅向上を実現(2/3 ページ)

三菱アルミニウムは2015年12月、中核生産拠点となる富士製作所で稼働する基幹データベース群を、Oracle Database 12cのマルチテナント機能を用いてOracle Database Appliance上に集約。事業継続性の強化と運用管理性/パフォーマンスの大幅向上を果たした。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System][Database Security]

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事前検証で効果を実感。効率的なデータベース統合を行うべくOracle Database 12cとOracle Database Applianceを採用

 三菱アルミニウムは、これらの課題の解決も目指し、2014年夏より移行先となるデータベースサーバの検討に着手する。早速、サーバベンダー数社に提案を依頼するが、その内容は同社を満足させるものではなかった。

 「各社からご提案いただいたのは、以前のシステムと同様にUNIXサーバとOracle Database Standard Editionを組み合わせ、サーバ仮想化技術を用いて集約率や運用効率を高めるというものでした。以前のサーバよりもCPUスペックが向上しているため、確かにその分だけパフォーマンスは良くなります。しかし、メインフレームも集約しながら利用していくには、いささか心もとない構成に映りました。また、予算面で厳しかったこともあり、各社のBCP対策の提案についても手薄な印象を受けました」(合家氏)

 そこで、同社は以前から評判を聞いていたOracle Database専用のデータベースマシンである「Oracle Database Appliance」についての検討を開始。まず、日本オラクルが無料で提供するアセスメントサービス「サーバー統合アセスメントサービス」、「パフォーマンス・クリニック」を利用して、既存システムを移行した場合の効果を検証した。その結果を、篠原氏は次のように述懐する。

 「アセスメントサービスを受けて驚いたのは、Oracle Database Standard Editionで構成していた既存システムでは、ハードウェアリソースを十分に使い切れていなかったということです。Standard Editionでは、常にシリアルで処理が行われるため、CPUの平均使用率は2%程度でした。それに対して、Oracle Database ApplianceではEnterprise Editionを利用できるため、ハードウェアリソースを余すところなく使い、パラレルで高速に処理が行われます。その性能差は圧倒的であり、『これまで随分もったいない使い方をしていたんだな』と思いました」(篠原氏)

 Oracle Database Applianceの効果に確証を得た同社は、Oracle Database Applianceの導入に傾く。ただし、その前にもう1つ決めなければならないことがあった。Oracle Databaseのバージョンである。

 「当初は『枯れたデータベースの方が安定性が高いだろう』との考えから、11g Release 2(R2)を検討していましたが、個人的に12cのマルチテナントに非常に興味がありました。そこで、実際に試用版を入手して検証を行い、12cに決めたのです。

 従来のデータベース基盤では、複数のデータベースインスタンスが個別に動作しており、リソースの使用効率や運用管理に無駄が多いと感じていました。それに対して、マルチテナントならば複数のプラガブルデータベース(PDB)でコンテナデータベース(CDB)のリソースを共有しながら、効率良く利用することができます。また、CDBに適宜PDBをプラグインしたり、アンプラグしたりといった使い方は、私が求めるデータベース構築/運用のイメージに合致していました」(篠原氏)

2台のOracle Database ApplianceをOracle Data Guardで同期し、ディザスタリカバリー構成を実現

 こうしてOracle Database ApplianceとOracle Database 12cの導入を決めた三菱アルミニウムは、日本オラクルに優良パートナーの紹介を打診。東京を拠点にしながら静岡県東部もカバーするTISが最適との推薦を受け、同社に具体的な提案を依頼した。

 TISの提案は、三菱アルミニウムを十分に満足させるものであった。2台のOracle Database Applianceを核とするTISの提案内容は、次のようなものとなる。

 まず、従来のシステムで稼働していた3台のデータベースサーバを富士製作所内に設置する1台のOracle Database Appliance上に統合し、「Oracle Real Application Clusters(RAC)」のRAC One Nodeによってアクティブ/スタンバイ構成で稼働させる。そのうえで、遠隔地に構えるTISのデータセンター内にもう1台のOracle Database Applianceを設置し、そこでも同一構成のシステムを稼働。富士製作所内のOracle Database Applianceと「Oracle Data Guard」によってリアルタイムに同期させ、これをディザスタリカバリー(Disaster Recovery:DR)サイトとして利用する。加えて、DRサイトのデータベースに対してテープバックアップをとることで、データの残存性を高めるといった具合である。

2台のOracle Database Applianceを核とする三菱アルミニウムの新システム構成

 「他社の提案内容は、コスト面で工夫を重ねた結果、運用が煩雑であったり、BCP対策が手薄だったりしました。それに対して、TISの提案は当社が求めていたものであり、BCP対策でOracle Data Guardを用いる点などは、Enterprise Editionの強みを生かしたものだといえます。機能面でもコスト面でも納得のいくものでした」(合家氏)

 さらに、三菱アルミニウムはEnterprise Editionのセキュリティオプション「Oracle Advanced Security」の導入も決定。同オプションのTransparent Data Encryptionによってデータベースレベルでの暗号化を図ることも決めた。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月24日

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