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島根編:どこでも働けるということ――Iターンエンジニアが実践する屋外開発と開発合宿ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(10)(3/4 ページ)

ITエンジニアはPCと電源があれば、どこでも働けるよね?――U&Iターンの理想と現実「島根編」の第1回は、お城で、お寺で、民宿で、ネットワークとクラウドツールを駆使して働くIターンエンジニアのリモートワーク事情を紹介します。

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ボクたちの屋外開発

 島根にきたのが2014年7月。2カ月ほど上述のような「出勤リモートワーク」をしたところ、「事務所を飛び出すべきだ!」と心の声が叫びました。

 冒頭の「城山花見開発」は、私たちが実践した屋外開発の一例です。この年の初秋から試みた他の屋外開発風景をご覧ください。

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上段左「大根島開発」、上段右「松江城山開発」、下段「お勤め開発」

 これらはちょっとしたトレーニングです。「ITエンジニアならどこでも働けるよね」と言いつつ、実際に「どこでも働いている」人はどのぐらいいらっしゃるでしょうか? 私たちはやってみました。

 実行に移してみると、ちゃんとしたデスクがないから肩がこる、日が陰ると寒いのに午後はやたらと暑い、日光がまぶしくて画面が見えづらい、トイレが微妙に遠いなどの不便はありました。でも苦痛というほどではありません。何とかなります。午後に給電が必要になるという課題は悩ましいところではありますが、私たちはオフィスを捨てても闘えるチームになりました。

 現実問題として、東京のITエンジニアが気軽に屋外開発をするのは難しいでしょう。なぜなら、大都市には「みんなが大都市に(そしてオフィスに)集中していることが前提のワークフロー」が出来上がっているからです。モンスター・ラボ島根開発拠点は、開設されたばかりだったこともあって、そんな既成概念がありません。

 松江市はいわゆるコンパクトシティであり、ブブーンとクルマを飛ばせば簡単に屋外開発現場へアクセスできます。そこは神秘的なくらい人が少なく、カラスもいませんし、たまに通りかかるおじさんが「何やってるの?」と質問してくるくらいです。「プログラミングです」「へぇ、何だそれ」「こう見えても仕事です」「そっかぁ。まあがんばれや」という程度なので、開発に集中できます。

 カラスがいない、というのを冗談だと思った方がいるかもしれません。決してそうではありません。松江にはカラスを追い立てるトンビが住んでおり、既述のように人口が少なく街がきれいなため、本当にカラスが少ないのです。カラスが近寄ってこない屋外活動は気持ちのいいものです。

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