SQL Serverシステムの可用性を高める「Always On フェイルオーバークラスタリング」の仕組み:SQL Serverトラブルシューティング(30)(2/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は、データベースシステムの可用性を高める「Always On」にまつわるトラブルに備え、「Always on フェイルオーバークラスタリング」とは何かを解説します。
「フェールオーバークラスターマネージャー」「クラスタアドミニストレータ」で管理/操作する
以下に、2つのノードで構成するFCIの概念図を示します。この構成では、1つの共有ディスクを2つのノードに接続していますが、正常動作時のディスクは、左側のノードしか見えていません。FCIで左側のノードに異常が検知がされたら、右側のノードへフェイルオーバーされ、ディスクは右側のノードを参照するように動作します(図1)。
以下は、FCIが含まれるクラスタの管理画面「フェールオーバークラスターマネージャー」です(図2)。
フェールオーバークラスターマネージャーでグループを構成する要素を確認すると、SQL Serverのインスタンスだけではなく、SQL Serverエージェントなども含まれていることが分かります。
なお、FCIとして動作しているSQL Serverであっても、スタンドアロンで動作するSQL Serverと同様に、データベースの管理や確認は「SQL Server Management Studio(SSMS)」から行うのですが、クラスタに関連する操作については「クラスタアドミニストレーター」で行います。クラスターアドミニストレーターから、明示的にフェイルオーバーさせる、クラスタの設定値を確認するといった操作が行えます。
今回は、FCIの仕組みとトラブル発生時に使用するツールを紹介しました。次回から数回にわたって、フェイルオーバーに関連する具体的なトラブル例と解決方法を紹介します。
筆者紹介
内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)
ユニアデックス株式会社所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜 )。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を行っていた。2016年4月よりIoTビジネス開発の担当となり、新しい仕事に奮闘中。ストレッチをして柔らかい身体を手に入れるのが当面の目標。
椎名 武史(しいな たけし)
ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
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