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【Windows 10】障害発生時に役立つセーフモードの起動法Tech TIPS

障害が発生した際などにセーフモードで起動したいことがある。しかしWindows 10では起動時に[F8]キーを押してもセーフモードにするための画面が表示されない。そこで、Windows 10をセーフモードで起動する方法を紹介する。

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対象:Windows 10


Windows 10のセーフモード画面
Windows 10のセーフモード画面
Windows 10が正常に起動できないような場合にセーフモードで起動して、不具合の原因となっているデバイスドライバなどをアンインストールすればよい。

 デバイスを追加したら、Windows 10が正常に起動しなくなったなど、何らかの障害が発生した場合、セーフモードで起動してデバイスドライバをアンインストールしたり、設定を変更したりすることで、問題が解決できることがある。

 ただ、Windows 10の場合、Windows 7以前のように起動時に[F8]キーを押してもセーフモードで起動できない。これは、Windows 10がサポートしている「高速スタートアップ」機能によって、前回の状態(シャットダウン直前のメモリやCPUの状態など)を「休止状態としてディスクに保存」しておき、「起動時にはその休止状態から復帰」させているからだ(高速スタートアップの詳細は、Windows 8レボリューション「第17回 素早い起動を可能にする『高速スタートアップ』」参照のこと)。

 セーフモードで起動するには、Windows回復環境(WinRE)に切り替える方法とmsconfigコマンドを使ってセーフモードで起動するように設定する方法がある。WinREに切り替える方法は大きく以下の3通りある。

 その後、以下でWinREからセーフモードで起動する方法を紹介する。

 また、msconfigコマンドを使ってセーフモードでの起動に切り替える方法と、通常モードの起動に戻す方法を以下で説明する。

Windows 10が正常に起動しない場合

 Windows 10にサインインできれば、後述の通り、比較的簡単にセーフモードによる起動が可能だ。しかし、障害が発生してセーフモードで起動したいような場合、Windows 10が正常に起動せず、ロック画面に至らないことがある(そのためサインインができない)。Windows 10では、このような場合、以下の手順でWinREに切り替えて、セーフモードで起動できる。

  1. PCの電源ボタンを10秒以上長押しして、電源をオフにする。
  2. 電源ボタンを押してPCの電源をオンにする。
  3. Windows 10の起動が開始された(小さな白い丸がクルクルと回り始めたら)、再び電源ボタンを長押しして、PCの電源を切る。
  4. 再びPCの電源を入れ、長押しで電源を切る操作を複数回行う。
  5. Windows 10の起動が開始された際に、一瞬、ウィンドウが表示されたように見えたら、電源を切らずにそのまま起動を待つ。「PC診断中」と表示された後、WinREの画面が表示される。

 途中で、「お待ちください」「自動修復を準備しています」というメッセージが表示されることがあるが、ここでWindows 10を起動すると、自動修復が行われて通常通りに起動しようとする。場合によっては、自動修復できませんでしたと表示されて、再起動が実行されてしまい、WinREに切り替わらないので注意したい。

Windows 10が正常に起動しない場合
Windows 10が正常に起動しない場合
電源ボタンを長押ししての電源オフと起動を繰り返すと、この画面が開く。ここで、[詳細オプション]ボタンをクリックすると、Windows回復環境(WinRE)の[オプションの選択]画面が開く。

 WinREの[オプションの選択]画面の操作については、後述する。

サインイン済みの場合は[Windowsの設定]アプリから順番にたどる

 Windows 10にサインインできる状態であれば、[Windowsの設定]アプリから設定するのが一番分かりやすい。

 [スタート]メニューの[歯車(設定)]アイコンをクリックして、[Windowsの設定]アプリを起動する。[Windowsの設定]画面の[更新とセキュリティ]をクリックし、[更新とセキュリティ]画面の左ペインで「回復」を選び、右ペインの「PCの起動をカスタマイズする」欄の[今すぐ再起動する]ボタンをクリックして、再起動を行う。再起動後、WinREに切り替わり、[オプションの選択]画面が表示される(PCによって、[オプションの選択]画面に表示される項目は若干異なる)。

[Windowsの設定]アプリから順番にたどる(1)
[Windowsの設定]アプリから順番にたどる(1)
[スタート]メニューの[歯車(設定)]アイコンをクリックして、[Windowsの設定]アプリを起動する。[Windowsの設定]画面の[更新とセキュリティ]をクリックする。
[Windowsの設定]アプリから順番にたどる(2)
[Windowsの設定]アプリから順番にたどる(2)
[更新とセキュリティ]画面の左ペインで「回復」を選び、右ペインの「PCの起動をカスタマイズする」欄の[今すぐ再起動する]ボタンをクリックして、再起動を行う。再起動後、Windows回復環境(WinRE)の[オプションの選択]画面が開く。

 WinREの[オプションの選択]画面の操作については、後述する。

[電源]アイコンにある[再起動]を[Shift]キーを押しながらクリックする

 サインイン画面が表示されている場合は、右下の[電源]アイコンをクリックし、[Shift]キーを押しながらメニューの[再起動]をクリックすればよい。再起動後、[オプションの選択]画面が開く。

[再起動]を[Shift]キーを押しながらクリックする(1)
[再起動]を[Shift]キーを押しながらクリックする(1)
サインイン画面の右下にある[電源]アイコンをクリックし、メニューの[再起動]を[Shift]キーを押しながらクリックする。

 サインイン後でも、[スタート]メニューにある電源アイコンで同様の操作をすると、WinREを起動できる。

[再起動]を[Shift]キーを押しながらクリックする(2)
[再起動]を[Shift]キーを押しながらクリックする(2)
[スタート]メニューの[電源]アイコンをクリックし、メニューの[再起動]を[Shift]キーを押しながらクリックする。

 WinREの[オプションの選択]画面の操作については、このすぐ後に説明する。

WinREの[オプションの選択]画面を操作する

 WinREの[オプションの選択]画面が表示されたら、[トラブルシューティング]を選択する。[トラブルシューティング]画面に切り替わったら、[詳細オプション]を選択し、次の[詳細オプション]画面で[スタートアップ設定]を選択する。

 [スタートアップ設定]画面になったら、[再起動]ボタンをクリックする。再起動が行われ、[スタートアップ設定]のオプション選択画面が開く。ここで、数字キーまたはファンクションキーで、オプションを選択する。セーフモードで起動する場合、4〜6のいずれかを選択して起動すればよい。

 セーフモードで起動すると、サインイン画面が表示されるのでパスワードを入力する。PINやピクチャパスワードを設定している場合でも、パスワードでの入力が求められるので注意したい。

 サインイン後、画面の四隅には「セーフモード」の文字が表示される。ここで、障害の原因となっているデバイスドライバなどをアンインストールするなどすればよい。

[オプションの選択]画面を操作する(1)
[オプションの選択]画面を操作する(1)
WinREの[オプションの選択]画面が起動したら、[トラブルシューティング]をクリックする。
[オプションの選択]画面を操作する(2)
[オプションの選択]画面を操作する(2)
[トラブルシューティング]画面に切り替わったら、[詳細オプション]をクリックする。
[オプションの選択]画面を操作する(3)
[オプションの選択]画面を操作する(3)
[詳細オプション]画面に切り替わったら、[スタートアップ設定]をクリックする。ここに[スタートアップ設定]がない場合は、[その他の修復オプションを表示]という項目がるので、これをクリックして、次の画面で[スタートアップ設定]をクリックする。
[オプションの選択]画面を操作する(4)
[オプションの選択]画面を操作する(4)
[スタートアップ設定]画面になったら[再起動]ボタンをクリックする。
[オプションの選択]画面を操作する(5)
[オプションの選択]画面を操作する(5)
再起動後、[スタートアップ設定]画面が開くので、ここでスタートアップのオプションを選択する。セーフモードで起動するには、[4]〜[6]キーまたは[F4]〜[F6]キーのいずれかを目的に合わせて選択する。
[オプションの選択]画面を操作する(6)
[オプションの選択]画面を操作する(6)
サインイン画面が表示されるので、通常通り、パスワードを入力してサインインする。PINによるサインインを設定している場合でも、パスワードによるサインインが要求される。
[オプションの選択]画面を操作する(7)
[オプションの選択]画面を操作する(7)
セーフモードで起動すると、画面の四隅に「セーフ モード」と表示される。壁紙などもなくなり、常駐アプリも制限される。

msconfigコマンドを使ってセーフモードで起動する設定を行う

 サインインできる場合、[システム構成]ダイアログ(msconfig.exe)を使うと、もう少し楽にセーフモードでの起動が行える。

 Windows 10で[Windows]+[R]キーを押し、[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開く。「名前」に「msconfig」と入力し、[OK]ボタンをクリックする。

 [システム構成]ダイアログが表示されるので、[ブート]タブを開き、「セーフブート」にチェックを入れて、[OK]ボタンをクリックする。再起動を促すダイアログが表示されるので、[再起動]ボタンをクリックして、システムを再起動すると、サインイン画面が表示される。通常通りパスワードを入力して、サインインすれば、セーフモードで作業が行える。

msconfigコマンドを使ってセーフモードで起動する
msconfigコマンドを使ってセーフモードで起動する
[Windows]+[R]キーを押し、[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開く。「名前」に「msconfig」と入力し、[OK]ボタンをクリックする。[システム構成]ダイアログの[ブート]タブを開き、「セーフブート」にチェックを入れて、[OK]ボタンをクリックすると、再起動が行われ、セーフモードで起動できる。

セーフモードから通常モードに起動し直す

 セーフモードから通常モードで起動に戻すには、再起動を行えばよい。ただし、msconfigでセーフモードの起動を設定した場合、次回以降もセーフモードによる起動となる。通常モードで起動させるには、セーフモードの状態でmsconfigコマンドを実行して、[システム構成]ダイアログを開き、[ブート]タブで設定した「セーフブート」のチェックを外せばよい。

 初回の通常モードでの起動では、PINやピクチャパスワードを設定している場合でも、パスワードでの入力が求められる。2回目からは、PINやピクチャパスワードによるサインインが可能だ。

■更新履歴

【2020/03/16】「Windows 10が正常に起動しない場合」などの情報を追加しました。

【2018/07/27】画面などを充実しました。

【2017/01/20】初版公開。


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