検索
Special

そろそろ12cに移行する? 課題はアップグレード時のDBテスト Oracle RATとOracle DBCSで手間とコストのリスクを最小限に!新日鉄住金ソリューションズのエキスパートも太鼓判(3/4 ページ)

Oracle Databaseのアップグレードでは、移行前後でSQLの性能がどう変化するかを検証するテストが大きな関門になる。Oracle RATとOracle DBCSを使えば、このテストにかかる手間とコスト、リスクを最小限に抑え、アップグレードしやすい運用/保守体制を作れる。[運用管理効率化][Oracle Enterprise Manager]

PC用表示
Share
Tweet
LINE
Hatena
PR

Oracle RATの活用を妨げる壁とは?

 このように、Oracle RATは非常に強力なツールだが、これを使うには幾つかの前提事項がある。特に頭を悩ませるのが前述の「テスト環境の準備」だ。

 まず、既存データベースの側にOracle Database Enterprise EditionとOracle RATのライセンスが必要となる。SQL Performance AnalyzerはOracle Diagnostics PackやOracle Tuning Packのライセンスでも使えるが、キャプチャーしたSQLをDatabase ReplayでリプレイするにはOracle RATのライセンスが必要なのだ。

 また、テスト環境の側にはEnterprise EditionとOracle RATのライセンスが必要である他、サーバマシンも用意することになるだろう。

RATの障壁
RATの障壁

 「もっとも、そうした初期投資がかかったとしても、多数のデータベースを集約した統合データベース基盤ならば、Oracle RATを使うことで投資以上のメリットが得られます。悩ましいのは、個別のアプリケーションで利用しているデータベースを単独でテストするケースです。この場合、規模によってはコストがメリットを上回ってしまう恐れもあります」(矢木氏)

だからクラウドでやろう! Oracle DBCSでOracle RATを使う

photo 新日鉄住金ソリューションズ ITインフラソリューション事業本部 ITサービスソリューション事業部 オラクル推進部の藤田慎二郎氏

 こうした事情から、Oracle RATのメリットは理解していても、導入に踏み切れずにいる企業もあるだろう。Oracle RATをもっと手軽に、小さなデータベースシステムでも使う方法はないのだろうか。

 そこで勧めたいのが、Oracle DBCSをテスト環境として使う方法(Oracle Real Application Testing@Oracle Cloudソリューション)だ。Oracle DBCSのサービスメニューの1つである「High Performance」では、Oracle Database Enterprise EditionとOracle RATを従量課金で使うことができる。

 また、Oracle DBCSはOracle Database 11g/12cの最新版をサポートしており、それらを用いたデータベース環境を迅速に調達できる。クラウド側にアプリケーションを準備する必要はなく、SQL Performance Analyzerで取得したSQL Tuning SetをOracle DBCSに取り込むだけでテストが行える。

RAT@Oracle Cloudの概要

 新日鉄住金ソリューションズの藤田慎二郎氏(ITインフラソリューション事業本部 ITサービスソリューション事業部 オラクル推進部)によれば、Oracle RATとOracle DBCSを用いたテストには、使用できるデータの条件に応じて次の3つのパターンがあるという。

  • Basic:本番環境のデータをOracle DBCSに取り込んでテストする。このパターンが基本であり、実データを使うため最も詳細な比較が行える
  • No Data to Cloud:本番環境のデータは使わず、SQL Tuning Setだけを使ってテストを行う。Basicと比べて比較できる内容が制限される
  • Masked Data to Cloud:本番環境のデータを「Oracle Data Masking Pack」によってマスキングしたうえでOracle DBCSに取り込む

 「Basicパターンでテストするのが理想的ですが、ネットワーク帯域幅や会社のセキュリティポリシーなどの事情から、Oracle DBCSに本番環境のデータを転送するのは難しいケースもあるでしょう。その場合、SQL Tuning Setだけを使うNo Data to Cloudパターンでテストを行います」(藤田氏)

RAT@Oracle Cloudのテストケース

 それぞれのパターンで評価できる内容は下図のようになる。

RAT@Oracle Cloudのテストケース

 また、No Data to Cloudパターンによるテストの流れは次の通りだ。

  1. 稼働中の本番環境でSQL Performance AnalyzerによってSQL Tuning Setを取得する
  2. 取得したSQL Tuning SetをOracle DBCSに取り込む
  3. Oracle DBCS上でSQL Tuning Setから既存環境の値を取り出す。また、Database ReplayによってSQL Tuning Setに記録されたSQLを実行するか、Oracle DBCS上の新環境の実行計画を作成する
  4. 新旧環境のSQLの実効性能や実行計画を比較し、レポートを生成する。レポートは、テキスト形式、シンプルなHTML形式、Flashによる動的形式が生成できる
RAT@Oracle Cloudによるテストの流れ

 BasicやMasked Data to Cloudでテストを行う場合は、上記の(1)の後にOracle DBCSへのデータ転送を行うことになる。


提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年3月5日

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

関連情報

驚異的なパフォーマンス、優れた運用効率、最高の可用性とセキュリティ、クラウド対応を実現するOracle Exadataとの統合、クラウド、可用性や運用管理など、次世代データベース基盤構築のために参考になる必見資料をまとめてご紹介いたします。

ページトップに戻る