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“Microsoft Loves Linux”はどうなっている?――Linux on Azureのいま(2017年4月版)Microsoft Azure最新機能フォローアップ(30)(1/2 ページ)

Microsoft Azureは、Windowsはもちろん、Linuxも広範囲にサポートしています。Azureが提供するIaaS/PaaS向けの機能の多くは、Windows/Linuxベースの仮想マシンやサービスの両方で利用可能です。2016年後半からこれまでに一般提供された機能と注目のプレビュー機能をまとめました。

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連載目次

充実するLinux仮想マシン向けのAzureドキュメント

 Microsoft Azure(以下、Azure)におけるLinuxのサポートは、AzureのIaaS(Infrastructure as a Service)にデプロイするLinux仮想マシンが中心です。AzureはIaaSの提供開始時(2012年6月)からWindows Serverと同じように、Linuxを積極的にサポートしてきました。

 以前は、Linux仮想マシンをAzure上で最適化して実行するには、Linux仮想マシンをデプロイするユーザー側の知識や経験に依存する部分が多くありました。現在は、Linux仮想マシンの展開手順、一般的な管理方法のセットアップ手順(SSHやリモートデスクトップ接続)、Azure仮想マシン向けの各種機能の利用方法など、具体的な手順や効率化を支援する公式ドキュメントが充実しています(画面1)。作業前にどのようなドキュメントがあるのか、ざっと目を通しておくことで、トラブルを事前に回避したり、時間短縮を図ったりすることができるでしょう。

画面1
画面1 Linux仮想マシン向けの公式ドキュメント(日本語)が充実してきた

Azure仮想マシンにおけるLinux/FreeBSDゲストの最新サポート状況

 Azure仮想マシンでサポートされるゲストOSとしては、CentOS、CoreOS、Debian、Oracle Linux、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)、SUSE Linux Enterprise Server(SLES)、SLES for SAP、openSUSE、Ubuntu、FreeBSDが公表されています。

 各OSのバージョンを含む詳細については、以下のドキュメントで最新情報を確認してください。動作確認済みのバージョンは、各Linuxディストリビューションの新バージョンのリリースや旧バージョンのサポート終了によって追加、削除されます。

 Linux/FreeBSDのゲストOSは「Microsoft Azure Marketplace」(およびクラシックポータルのギャラリー)のテンプレートを使用して数分でデプロイできる他、オンプレミスのHyper-V環境でVHDファイルを作成し、それをアップロードしてデプロイすることもできます。

 Hyper-VとAzureで共通のゲストコンポーネント(ドライバ)は、カーネルに標準で組み込まれています(CentOS 6.3のみ「Linux Integration Services for Hyper-V」が必要)。VHDファイルを準備する場合は、その他に「Azure Linuxエージェント」のインストールが必要です。

 Hyper-VにおけるLinux/FreeBSDのサポート状況については、以下のドキュメントで確認できます。RHEL、CentOS、Oracle Linux(RHEL互換カーネル)については、カーネル標準のドライバとは別に「Linux Integration Services for Hyper-V」(最新バージョンは4.1.3)が提供されていますが、RHELをAzure上で実行する場合、カーネル標準のドライバを使用することがRed Hatの認定条件になることに注意してください(Linux Integration Services for Hyper-Vをインストールしないでください)。

仮想マシンのOS/データディスクを暗号化する「ディスク暗号化」

 2016年9月に「Azureディスク暗号化(Azure Disk Encryption)」が一般提供(General availability:GA)されました。Azureディスク暗号化は、Azure仮想マシンのOSディスクおよびデータディスクをボリューム全体で暗号化する機能であり、Windows仮想マシンとLinux仮想マシンの両方でサポートされます。

 Windows仮想マシンの場合、Azureディスク暗号化はWindows Server 2008 R2以降の「BitLockerドライブ暗号化」機能と連携して機能します。Linux仮想マシンの場合、Linuxの「DM-Crypt」機能と連携して機能します。なお、Linux仮想マシンでは、CentOS、RHEL、SLES、openSUSE、UbuntuでAzureディスク暗号化がサポートされます。詳細なバージョン要件や制約(OSディスクに対応していない場合もある)については、以下のドキュメントを参照してください。

Windows/Linux共通の新機能「管理ディスク」と「複数NIC」

 Azure仮想マシンでは、最近、2つの新機能の一般提供が行われました。「管理ディスク(Managed Disks)」と「複数ネットワークインタフェース(NIC)」のサポートです。これらの機能は、Windows仮想マシンとLinux仮想マシンの両方でサポートされます(画面2)。

画面2
画面2 「管理ディスク」を有効にするには、仮想マシン作成時に「はい」を選択するだけ。従来のストレージアカウントと料金が異なる点に注意

 管理ディスクは、Blobストレージアカウント(Azure Blob Storage)に代わって、仮想マシンにストレージ(OSディスクおよびデータディスクの配置先)を提供するものです。管理ディスクは、Azureによって完全に管理されるため、ストレージアカウントの作成と管理の煩雑さから解放され、スケールセットによる大規模な展開も簡素化されます。

 また、既にデプロイ済み仮想マシンを、ストレージアカウントから管理ディスクに移行することも可能です。複数NICのサポートは、Azure仮想マシンをAzure仮想ネットワークの複数のサブネットに同時に接続することを可能にします。

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