誠意を見せつつ相手に納得してもらう「謝罪報告書」の書き方:謝るだけじゃダメ!(2/3 ページ)
トラブル発生時に提出する「謝罪報告書」。書き方一つでさらに相手を怒らせてしまったり、今後の対策を建設的に相談できるようになったりします。連載「エンジニアのためのビジネス文書作成術」、第4回目は「謝罪報告書」の書き方と、Wordの「表スタイル」を使って経緯や対策を見やすくするコツを伝授します。
「事象」と「経緯」を説明する
素早く報告しても、要領を得ない内容では相手の怒りは収まりません。報告の分からなさに対する不満で、むしろ相手の怒りは激しく燃え上がります。
こうした事象を招かぬため、まずは相手に冷静な判断をしてもらいましょう。そのために必要なのは、「事象」と「経緯」の説明です。事象は「ミスそのもの」、経緯は「ミス発生の前後における状況の説明」です。
「図1」のように「表形式」「時系列」で内容を整理するとよいでしょう。
文章を分かりやすくするテクニックとして有名なのは「5W1H(When/Where/Who/Why/How)(いつ/どこで/誰が/何を/どうして/どうやった)」で示す方法です。しかし謝罪報告書の場合は、事象と経緯に「Why」を含めてはいけません。
ここで「ミスを犯した理由」を書くと、相手には言い訳がましく聞こえます。それが正当な弁明であってもです。
When 関東地区池袋営業店からの緊急問い合わせ対応中に
Where 自席で
Who 弊社要員Aが
What 新宿営業店の担当者が差出人の「【大至急】エンドユーザークレーム対応」という文言が含まれたメールを
How 開封して添付ファイルを開いた
もし上記説明に次の「Why」が並んでいたら、どう感じるでしょうか。
日常的に不特定多数の営業員からメールを受信していたから、勘違いした
「至急対応」を促すメールが日常的に来ており、速やかな対応が求められる場面が多かった
他の営業店から複数の問い合わせを受けており、メール内容を吟味する余裕がなかった
どう見ても「言い訳がましい」ですよね。これらは正しい理由かもしれませんが、謝罪内容の経緯説明で出すべきものではありません。
謝罪報告では、起きたこと「だけ」を淡々と述べ、相手に事実を「理解」してもらうことが先です。それがあって初めて、冷静に弁明を聞いてもらえる環境が整います。
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