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気になるAzureの料金を理解しよう(2/2 ページ)

Azureは使った分だけ支払う従量制なので、余計なリソースなどを使っていると思わず料金がかさむことがあります。今回はAzureの課金の仕組みについて見てみましょう。

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さらにAzureの課金の詳細をチェック!

 前ページ最後の画面中の内訳グラフ((3))を見ると分かるように、Azureでは仮想マシンやディスク(ストレージ)など、かなり細かい単位で課金されています。実際に、どのリソースやサービスにいくらかかっているかは、詳細画面で確認できます。上の画面の円グラフをクリックして表示させてみましょう。

リソースごとの課金の詳細
リソースごとの課金の詳細
この画面では、リソースごとに課金がいくらになっているかが表示されています(多い順にソートされています)。
  (1)リソースごとの詳細表示画面です。
  (2)サービスごとの課金を表示するにはこれをクリックします。
  (3)現在の課金額です(30日分)。
  (4)仮想マシンリソースの課金額です。
  (5)仮想マシンに含まれる課金要素です。仮想マシンから外部に対するデータ送信量(ダウンロード量)とコンピューティング時間(仮想マシンの稼働時間)に課金されています。一方、データ受信量(アップロード量)には課金されていないことが分かります。
  (6)課金額とその内訳です。
  (7)ディスクリソースの課金額です。
  (8)パブリックIPアドレスに対する課金額です。グローバルなIPアドレスは、利用するのにコストがかかります。

Azureの課金の仕組み

 上の詳細画面を見ると分かるように、Azureの課金を決める要因にはさまざまな項目があります。割り当てたCPUやメモリ、ストレージなどの種類や量(サイズ)だけでなく、稼働した時間やネットワークの通信量(帯域幅)、ディスクのトランザクション量、使用したパブリックなIPアドレスの数など、多くの要因に左右されます。

 主な課金の要素を次に挙げておきます。

項目 課金内容
CPU/メモリ CPUの基本性能やコア数、使用時間などに応じて従量制課金。コア数やメモリサイズ、ストレージサイズなどに応じて、いくつか選択できるモデルがあらかじめ用意されている
ストレージアカウント ストレージの種類(SSDかHDDか)や容量、使用サイズ、入出力操作数、読み書き量などに応じた従量制
ネットワーク通信トラフィック インターネットからAzureデータセンターへのアップロード方向のトラフィックは無料、ダウンロード方向のトラフィックは従量制。リージョン間のプライベートVNET間通信やVPNなどは従量制
IPアドレス 仮想マシンに割り当てられるローカルIPアドレスは無料だが、動的グローバルIPアドレスは有償。固定グローバルIPアドレスにすると、6つ目以降はさらに追加で課金
Azureの主な課金要素
主にAzure仮想マシンにおける、課金の要因となる項目についてまとめてみました。なお課金単位は、1分単位、1時間単位、月額固定など、いくつかの種類があります。

【ハイッ! ここ大事!】

【ハイッ! ここ大事!】

 パブリッククラウドは従量課金となりますが、Azureの場合も、利用しているリソースやトラフィック/トランザクション量などに応じて累積で計算されます。たとえ仮想マシンが停止していて、リソースの割り当てが解除されていても、リソースとして定義されているだけで課金される項目もあります。なので、余計なリソースや実験的に使用したリソースなどはすぐに削除するなどしないと、無駄に課金される可能性があるので注意しましょう。


料金計算ツールで、より詳しく料金を見積もる

 Azureのサービスでは、利用するサービスやリソース、オプションに応じて従量制で料金が決まりますが(Azure Active Directoryサービスなど、月額で料金が決まるものもあります)、場合によってはちょっと怖いですよね。特にストレージやIPアドレスなどのリソースを追加したときや、通信量が多くなりそうな場合は、きちんと見積もっておかないと、後で請求書の金額に驚くことにもなりかねません。

 Azureの毎月の利用料金がいくらぐらいになりそうかは、料金計算ツールである程度見積もることができます。

料金の見積もり計算
料金の見積もり計算
このツールを使うと、使用するAzureのサービスや構成などを選択することで、概略コストがいくらぐらいになるかを算出してくれます。
  (1)利用するサービスをこれらのメニューから選択してウィザードを開始します。

これからもAzureを使い続けるには?

 今回はAzureの無料試用版を使っていますが、これは30日で期限が切れます。それ移行も継続して利用したければ、有償のサブスクリプションに変更します。そのためには、先ほどの明細ページの冒頭に表示されている「n日で、無料試用版の期限が切れます。」というリンクをクリックして、サブスクリプションの契約を変更しましょう。

試用版から有償版への変更
試用版から有償版への変更
これはサブスクリプションを管理するためのWeb管理画面です(Azureポータルとは別)。「試用版の自動変換」を行うと、現在の構成を引き継いだまま有償版に変更できます。
  (1)これを選択してから、画面下部にある[保存]をクリックします。

最後に

 今回はAzureの料金について見てきました。仮想マシンを1台動かすと(しかも、Windows Server 2016用としては一番低い性能やサイズ構成の仮想マシンでも)、月々の料金が約1万2000円程度になることが分かりました。ただし、Azureには、ここではまだ触れていないさまざまな機能(スケーリングや冗長構成、バックアップ、マイグレーションなどの信頼性向上機能など)があり、使わない場合は止めておく(リソースを解放しておく)などの措置によって、コストの抑制を図ることができます。それらについては今後触れたいと思います。

 というわけで、繰り返しになりますが今回の最後はもう一度こちら。

【ハイッ! ここ大事!】

【ハイッ! ここ大事!】

 当然ですが、使用時間や使用するリソース、サービスなどによって、クラウドの料金は変動します。基本的に、パブリッククラウドは自己責任で割り切って使う、標準化されたセルフサービスです。言ってみれば「パブリッククラウドは世知辛い環境である」ことを念頭に、利用は計画的に、特に最初のうちは、予想外のことが起こっていないか小まめに使用状況をチェックするように心掛けましょう。


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