正しい「残業ゼロ」の実践法:仕事が「つまんない」ままでいいの?(30)(4/4 ページ)
上層部は「残業ゼロ」と言い、ユーザーは「何とかしろ」と言う。どっちの言うことを聞けばいいのでしょか?
「残業ゼロ」を「業務プロセスを見直す」を業務改善のきっかけに
社会全体で長時間労働が問題視されているのは、良い流れだと思います。
でも、現場を無視した無理な残業カットはあまり良いことだと思いません。また、「長時間労働を未然に防ぎ、健康に働くこと」のために残業を減らすはずなのに、「残業時間を減らすこと」だけが目的になって、しわ寄せを労働者が被っていては本末転倒です。
だからといって、社会や会社の大きな変革期には、私たちの「現場の声」は届きにくい実情もあります。
一見ムチャぶりに思えた私の「残業ゼロ体験」は、当たり前だと思っていた仕事を疑い、「本当にいるもの」と「いらないもの」を分け、業務プロセスをゼロから見直す、いいきっかけになりました。
現場を無視した会社のムチャぶりには、一言言いたくなることもたくさんあると思いますが、これを「仕事の負担を減らし、残業しなくてもよくする仕組み作り」と捉えなおしてみてはどうでしょうか。
働き方改革が、単なる残業時間の抑制ではなく、業務プロセスを見直すきっかけになるといいですね。
今回のワーク
静かな場所に行って、コーヒーでも飲みながら、紙とペンを取り出して考えてみてください。
- あなたの職場で、長時間労働の未然防止の取り組みがあったら、「そもそも、何のために」が明確になっているか、「残業時間を減らすこと」だけが目的になっていないかを確認してください
- 「残業をしない」を前提条件に、「どうすれば残業ゼロが実現できるか」を、気の合う同僚と話してみてください。
筆者プロフィール
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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