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仕事がヒマ過ぎるのは、幸せなのか不幸せなのか仕事が「つまんない」ままでいいの?(33)(1/3 ページ)

長時間労働の抑制をはじめとして働き方改革が叫ばれている中、「ヒマ過ぎてつらい」という悩みも。どのようにすれば解決できるのでしょうか。

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 長時間労働の抑制をはじめとして、世の中では働き方改革が叫ばれています。「日本人は働き過ぎだ」「もっと自分の時間を大切にしよう」……日本人の働き方の解釈は、このようなものが一般的なのかもしれません。

 一方、先日、IT企業に勤めるSさんから「ヒマ過ぎてつらい」という相談を受けました。

 「ヒマ過ぎてつらい」という悩みに多くの人が最初に抱くのは、「うらやましい」「掃除とか、できることなら山ほどあるだろう」「資格の勉強など、やりたいことをやればいいじゃないか」というような感想かもしれません。

 けれども、話を聞くとどうやら深刻そうです。多少の時間なら適当にやり過ごすことはできるかもしれない。でも、ヒマな日が毎日続き、しかも、会社だけに周りの目が気になり、ヒマだけれど自由が利かないのだとしたら……ちょっとつらそうです。

 そこで今回は「仕事がヒマ過ぎてつらいとき、どうする?」というテーマを、考えていきます。

ヒマ過ぎてつらいSさん

 Sさんは、以前エンジニアとして働いていたそうです。モノづくりの仕事は楽しかったものの、プロジェクトが佳境のときは長時間労働になることも。「今度は、プライベートの時間も大切にしたいな」と、35歳を前に転職を決意し、同じIT業界ながら、エンジニアから総務の仕事へと職種を変えました。

 しかし、総務の仕事は定型業務が中心で、月末月初はそれなりに忙しいものの、それ以外は待機時間も多く「何をしたらいいか分からない」と言います。「1日の仕事時間のトータルが1時間しかないこともある」のだとか。

 転職した当初は、「使えない人を採用してしまった」と思われないように、自分から積極的に掃除や書類の整理などをしたり、「何か、お手伝いすることはありますか?」と上司や周りの同僚に尋ねたりして自分から仕事を見つけたそうです。しかし、しばらくするとそれらもやり尽くしてしまいます。

 このような日々をしばらく続けていたら、「あー、今日も一日、何もしなかった」と自己嫌悪に陥り、ストレスに感じるようになったと言うのです。

 以前の同僚に会うと、生き生きと働いているように見えてうらやましい。そして、自分が情けなくなる……。以前の同僚に相談したら、「その時間を使って、やりたいことをやればいいじゃないか」と言われたそうです。そこで、資格の勉強を始めるも、「○○がしたい」という明確な目標があるわけではないため長続きしません。また、「資格のテキストを開く」など、仕事以外のことをあからさまにするのも難しい……。

 「忙しい方からすれば、うらやましい限りなのでしょうが、することがないのは本当につらいです。このままの状態で仕事のやりがいを見つけられるのか。それとも、転職した方がいいのかで、揺れています」

 私たちの普段の生活でも「病院が混雑している」「電車の乗り継ぎまで時間がある」など、やることがないときの待ち時間が、すごく長く感じることがあります。テレビも、本も、遊び道具もないビジネスシーンで「やることがない」状態が続くのはつらいということは、容易に想像できます。しかも、毎日です。

 また、「周りはエンジニアで、自分だけ総務部員」など、周囲と職種が異なる人は、「周りは忙しそうなのに、自分だけヒマ」といった状況に置かれることもあるでしょう。そんなときは、周りに何となく申し訳ない感じがして、つい自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。

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