なぜ、コンサルタントからプログラマーに転身したのですか?:教えて! キラキラお兄さん(2/4 ページ)
企業向けソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub Enterprise」のSEである池田尚史さんは、時代の変化に対応するために自らのスキルセットを入れ替えながら、コンサルタントからエンジニアへ、WindowsからWebへ、オープンソースソフトウェア開発へと異色のキャリアを築いてきた。池田さんの話には時代の変化に対応して生き延びるヒントが詰まっている。
コンサルタントからプログラマーへ
コンサルタント時代は給与が良かった。しかし、池田さんの中には徐々に疑問がふくらんでいった。
「現場で実際に動くのは、プログラマーが書いたコードそのものです。ExcelやWordでは1ミリも動きません」
プロジェクトによっては、スケジュールが遅延してトラブルになる事態も目にした。「ちゃんとソフトウェアを作る側に行って、問題を直接解決した方が早い」と思った。
3年間コンサルタントとして働いた後、プログラマーに転身した。転職先はERP製品を作っているパッケージソフトウェア企業だ。「プログラマーが主人公になる、自分たちで製品を作って売っている会社というと、当時は選択肢が少なかったんです」と池田さんは説明する。
こうして池田さんは、職業プログラマーとして再出発する。ちなみに給与水準は「そんなに悪くなく、下がったりはしなかった」とのことだ。
当時、「せっかくコンサルタントになったのに、プログラマーになるの? バカなんじゃないの?」などと言われたこともあったという。しかし「ソフトウェア開発では、動くか動かないか、コードで全てが決まる。それ以外の部分に時間をかけてもしょうがない。若いうちにキャリアを変えた方がいい」──当時の思いを池田さんはそのように振り返る。
「顧客の問題を解決することと、自分たちの製品を作る側になることとはマインドが違います。全く異なる業態なのでギャップを感じることがありましたが、それもまた楽しかったです」と池田さんは当時を振り返る。
自社プロダクトを作る会社へ、さらにWindowsからWebへ
そんな池田さんに、また転機が訪れる。
池田さんは、2005年から2010年までそのパッケージソフトウェア企業で勤務した。開発ターゲットは、主にWindowsベースのデスクトップアプリケーションだ。そして2007年、Salesforceが本格的に日本上陸した。
「クラウドで業務システムが作れることを彼らが示し始めました。一方、当時私が開発していた製品は完全にオンプレミス。これはまずいと思いました」
同じころ、GoogleがPaaS(Platform as a Service)の先駆けとなるApp Engineを出した。自動的にスケールアウトし、サーバリソースをいくらでも借りて能力を拡大できる。
「そんなことができることを見せつけられたのは衝撃でした」
書籍『Googleを支える技術』(西田圭介著、技術評論社)も、このころの出版だ。クラウドの時代が到来したことを思い知らされた。
当時所属していたパッケージソフトウェア企業でも「インターネット対応をそろそろ本格化させないとまずい」という話をしていた。しかし池田さんはそれを待たずに、転職する。「Webやクラウドの時代が来る」という衝撃を感じてから2年ほど後のことだ。
世の中のゲームチェンジに気付き、自分の居場所を移動しないと何ができているかを感じ取れない、仕事を変えないと自分を変えられない、と感じたからだという。
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