Rubyがきっかけで、「www(草生える)」を英語で解説――GitHubのエンジニアが語る、“世界とつながるスキル”:Go AbekawaのGo Global!〜Aaron Patterson編(2/5 ページ)
プログラミング言語「Ruby」のコミュニティーで英語と日本語を駆使して活躍するGitHubのソフトウェアエンジニア、Aaron Patterson(アーロン・パターソン)氏。Twitterで「www(草生える)」を英語で解説したことでも有名な彼は、18歳からプログラマーとして成長を重ねてきた苦労人でもある。そんな彼がRubyに出会ったきっかけと、今考える「オープンソースの世界でエンジニアに必要なスキル」とは?
アーロンさん 最初はClassmates.comという、ネット上で最大規模のトラフィックを集めていたWebサイトを運営していた企業に就職し、Webサイトの膨大なトラフィックの処理やスケーリング、Javaを学びました。
正直、私はダイナミックプログラミング言語の方が好きだったんです。でも、当時はドットコムクラッシュが起きていて、上司にも「Javaプログラマー以外はいらないから」と言われてしまい、結局6年間Java一筋でした(笑)。
阿部川 確か、その辺りでRubyに出会ったんですよね。
アーロンさん そうです。2004年のことでした。同僚がイベントでDave Thomas(著名なRubyのプログラマー)の講演を聞いて教えてくれたのがきっかけでした。あっという間にはまり、2005年には、自分にとって最初のRuby code をオープンソースで公開していましたね。
阿部川 あなたにとって、Rubyのどんなところが魅力だったのですか。
アーロンさん Perlをベースにしているゆえの「強さ」です。短いプログラムを書けますし、それは同時に、例えばJavaのようなオブジェクト指向かつ明確なシンタックスを書けるということでもあります。Rubyは、私がそれまで学んだ全てのコンピュータ言語の、いわば「良いとこ取り」をしたような言語で、使っていて楽しいんです。
Javaを使うと10〜15行書いてコンパイルが必要なプログラムも、Rubyなら1行で書ける。「もし、自分が担当しているプログラムを全てRubyで書ければ、どんなに早く進められるだろう」と思いました。そうすれば余った時間で、もっと生産的な何かができる。そう考えて、Rubyを使えるような仕事を探し始めました。
当時はRubyを使える人が少なく、プログラマー自体の就職状況もそれほど良くはなかったのですが、ラッキーなことに、2006年に友人が新しく会社を立ち上げて私を雇ってくれたのです。給料は多少ダウンしてしまいましたが、毎日Rubyを使ってプログラミングできるようになりました。それが私のRubyのプログラマーとしての最初の仕事でした。
コードを書きながら、コミュニティーを広げる――ギットハブでの役割
阿部川 その後AT&TやRed Hatを経て、ギットハブに入られたということですが、今は主にどのような仕事を担当しているのですか?
アーロンさん App Systems Teamというチームで、アプリケーションデベロッパーが使うあらゆるシステムに責任を負っています。Ruby InternalとRailsですね。バグの修正、パフォーマンスのチューニング、パフォーマンスメトリックスの最適化など、パフォーマンスに関わる全てを担当しています。
阿部川 かなり広範囲の業務ですが、どのくらいの人数で担当しているんですか?
アーロンさん 私ともう1人がRubyとRailsの専任で、Java担当スタッフの助けも借りています。人員を増やしたいのですが、適任者を見つけるのにはなかなか苦労しています。かといって、1人のエンジニアにRubyとJavaの両方を担当させるようなことは避けたいので。
阿部川 昨日(インタビュー前日の2018年6月11日)、Microsoftがギットハブ買収を発表しましたが、これから仕事の状況は変わると思いますか?
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