このままでは仕事がAIに? そう簡単に奪われてたまるか!:仕事が「つまんない」ままでいいの?(45)(2/3 ページ)
過去のデータに基づいて機械的に行う作業は、いずれAIにとって代わられる。では、AIに仕事を奪われないために、人間は何をすればいいのでしょうか?
AIは「過去のデータに基づく学習」が得意。では、人間は?
AIは「過去のデータに基づく学習」が得意です。
「過去のデータに基づく学習」とは、「今までのルールによれば、この場合はこうする」「過去のデータによれば、どうやらこれが最適なようだ」といったように、過去のデータに基づく分析や判断、予測をすることです。
例えば、先ほどのチャットのオペレーションのようなやりとりは、「質問に対する回答を、過去のデータベースから検索し、相手に教える」です。「過去のデータのやりとり」なので、AIがもう少し進化すると、置き換えられる危険があります。「データベースから情報を検索する」といった処理は、人間よりも、コンピュータの方が断然早いからです。コンピュータは「人間の仕事を楽にする」ためにあるものですからね。
こうなると、AIの勝利です。
では、AIに仕事を奪われないようにするには、どうすればいいのでしょうか。「コンピュータが苦手で、人間が得意なこと」をすればいいのでしょうか。
よく言われるのは、「機械に負けないスキルを磨け」「人間にしかできない価値を創造せよ」みたいな話です。でも、いずれも抽象的で、具体的に何をすればいいのか困ってしまいますよね。
ほんの少しだけ「未来」に足を踏み入れる
AIが「過去のデータに基づく学習」が得意なら、ほんの少しだけ「未来」に足を踏み入れれば仕事を奪われないのではないか、と私は思います。
「未来」といっても、それほど難しい話ではありません。
例えば、「この仕事、面倒くさいんだよな。でも、上司が言うんだから仕方ないよな」だと、過去。「この仕事、面倒くさいんだよな。もう少し楽にできないかな」までいくと、未来。
「あっ! ネットに作ろうと思っていたロジックのコードがあった。これ、コピペしよう」だと、過去。「あっ! ネットに作ろうと思っていたロジックのコードがあった。これ、もう少しきれいに書けないかな」までいくと、未来。
「過去のデータベースに解決策はない。仕方がないから謝ろう」だと、過去。「じゃあ、ユーザーからデータを送ってもらって、分析してみよう」までいくと、未来。
未来は、現状に「こうすると、どうかな?」という自分の意思を加えて「ちょっと先」を見に行く連続で創られていくのでは? と思うのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ソフトウェアエンジニアの約3割が「AIのせいで仕事がなくなる!」と思っている
米Evans Dataは新しい調査報告書で、AIに仕事を奪われることを懸念するソフトウェアエンジニアが3割に上ると指摘している - 「わたしは真悟」の「モンロー」を、2018年のテクノロジーで解説しよう
手塚治虫が、スピルバーグが、そして全世界の子どもたちがあのころ夢見たテクノロジーは、2018年現在どこまで実現できているのだろうか?――映画や漫画、小説、テレビドラマに登場したコンピュータやロボットを、現代のテクノロジーで徹底解説する「テクノロジー名作劇場」、第3回は楳図かずお先生の「わたしは真悟」だ - 教えて! キラキラお兄さん「AIは転職エージェントの職を奪いますか?」
グーグルのインターンを経て、英エディンバラ大学大学院で機械学習を学び、ベンチャー支援の経験も積んだ島田寛基さんは、機械学習を駆使した人材マッチングサービスを提供する「scouty」の代表取締役だ。島田さんが自らの進路をどう作り上げ、どのような筋道で起業に至ったのかを聞いた - Google Cloudの「コンタクトセンターAI」が面白い
Google Cloudが、2018年7月に開催したカンファレンスGoogle Cloud Next ‘18で「Contact Center AI」を披露した。顧客からの電話に、AIエージェントが人間に近い自然な会話で対応、オペレーターに引き継いだ後も、文脈から自動的に情報を表示して支援する - AIは人間のキャリアを破壊するのか?――政府発表資料で予測する、AI活用による雇用の変化
人工知能(AI)やスマートマシンの普及で、人間は幸せになるのか?