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“紫のリス”の大冒険――ある女性エンジニアが、テレコム業界を変革するCEOになるまでGo AbekawaのGo Global!〜Danielle Royston編(5/5 ページ)

全米屈指の経営改善のスペシャリストとして知られ、テニス選手としても活躍する、OptivaのCEO、Danielle Royston(ダニエル・ロイストン)氏。世界を飛び回る彼女は、もともと経営者になりたかったわけではなく、「エンジニア一筋」のキャリアを目指していた――そんな彼女が語る転身のきっかけと、全てのエンジニアに向けたメッセージとは?

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高木 最後に、これまでを振り返って、日本の読者にアドバイスをお願いします。

ロイストン氏 自分のキャリアパスが一本道だと思わず、可能性をオープンにしておくこと。新しい仕事のチャンスが来たら、必ず「イエス」と言うこと。常に新しいことを学ぶことです。あなたの才能を評価して背中を押してくれるメンターを見つけることも大事ですね。

 自分の才能や能力に、自分が気付いていない場合は多いんです。私もそうでした。失敗するのを恐れて、新しいチャンスに「イエス」と言えなかったのです。でも、挑戦すると意外にうまくいきますし、自分にとっても必ずプラスになるものです。自分を過小評価せずに、どんどん挑戦してください。

Lisa’s Think Aloud ――インタビューを終えて――

 明るくエネルギーにあふれるDanielleさんとのインタビューは、あっという間だった。

 IT業界は、女性が比較的活躍しやすい業界の一つだ。それでも、1990年代初めの話をしたとき「何度も、『君にはできっこない』と言われるのを無視して努力を続けました」という一言が、逆境の多さを物語っていた。その一方で、彼女を励まし続けたメンターは、その才能を見通せる洞察力の持ち主だった。

 彼女が戦ったのは、周囲の偏見だけでなく、彼女自身の不安や恐怖でもあった。私の知る多くのエンジニアは、常に努力を続けて新しいスキルを身に付けている。もし明日から全く違う分野の仕事をするよう言われたら、彼らは不安と同時に、今まで学んだことを捨てなければならないようなむなしさを感じてもおかしくないだろう。

 今回のインタビューからは、「今エンジニアとして続けている努力は、もっと広い分野で通用する」というメッセージを感じた。「私たちって、思った以上に猫っぽいところがあるんですよ。9つの違う人生を生きられて、どんな高さから落とされても、足から着地できる。やってみれば、何とかなるんです」と、いたずらっぽくほほ笑みながら語ったDanielleさんの活躍を、これからも楽しみにしたい。

高木理紗(Lisa Takagi)

アイティメディア IT編集部 編集記者

社会人から一念発起し、留学経験ゼロからカナダのキングス・カレッジ大学院を卒業(ジャーナリズム専攻)。2017年から「TechTarget ジャパン」「@IT」を経て、現在は「ITmedia エンタープライズ」記者。「Go Global!」シリーズには、フォトグラファーや編集者として関わる。

編集部から

「Go Global!」では、インタビューを受けてくださる方を募集しています。海外に本社を持つ法人のCEOやCTOなどマネジメントの方が来日される際は、ぜひご一報ください。取材の確約はいたしかねますが、インタビュー候補として検討させていただきます。

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