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仮説と異なる結果が出たら、どう説明しますか?教えて! キラキラお姉さん(2/2 ページ)

後藤さんは、マルチデータ分析プロとして、ヤフーのサービス開発に参加している。時には店舗の現場で利用者の行動を直接観察し、時にはビッグデータから現れるユーザーの行動と向き合う。データに語ってもらう秘訣(ひけつ)と、チームの作り方を聞いた。

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データの活用では「人間の考え」と「仮説」が欠かせない

 データ活用といえば、「ビッグデータ」という言葉がここ数年バズワードとなり多用されている。機械学習のブームもあり、「とにかく大量のデータを集め、人間の考えや解釈を抜きに機械的に処理することが成果に結び付く」と考えている人もいる。後藤さんは、行動観察も含めた多面的なデータ分析を続けてきた立場から、そのような意見には反論する。

 「ビッグデータを用いた機械学習では、何でもかんでも機械にデータを食べさせればいい、と思っている人もいる。それでは、出てきた答えが良いかどうかを判断できない。人間が、『このビジネス課題に対して、このデータを食べさせる』と決め、大枠の設計を決めなければいけない」と説明する。

 そのためには、精度の良いビジネス上の仮説を立てることが重要だ。時には家電量販店で生活者の購買活動の様子を観察したり、原宿に行って若者を観察したり、大学生のアプリの使い方をインタビューしたりと、仮説を考える上での引き出しを広げる活動を行うとともに、その行動がビッグデータの中にどのように反映されるのかを常に考えている。それが良いデータを選定することにつながると思うからだ。

チームの「翻訳できる人」は大事

 チームでの働き方についても、聞いてみた。

 例えば、プログラミングや、どのような計算式で予測が可能になるかといったエンジニアリングの部分に詳しい人と、プロデューサーとして事業の成果に責任を負う立場の人とでは、会話がうまくかみ合わない場合がある。そんな場合には「どちらも理解しつつ、翻訳できる人、中間の人が必要になる」と後藤さんは考える。後藤さん自身がそういう立ち位置になる場合もある。

 後藤さんは、自分の周囲のチームや事業について、「今できることを、ちゃんとやっていかないと、世界から後れを取る存在になってしまう。待ってはいられない。目標が決まっているのであれば、そこに向けて突き進む」と語った。行動観察のプロとしてビッグデータ活用の最前線に取り組む後藤さんの気概を感じた言葉だった。

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