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Chromium版「Microsoft Edge」の配布対象が拡大――Windows 7/8.1も自動配布対象に:企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内(81)

本連載では2020年1月に安定版(Stable)が完成したChromiumベースの新しい「Microsoft Edge」について、企業向けの機能や企業内クライアントへの展開を解説してきました。これまで自動配布の対象外だったWindows 10 EnterpriseとEducationが今後、自動配布の対象になることをお伝えします。ただし、全てのPCが自動配布の対象になるわけではありません。

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「企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内」のインデックス

企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内

Enterprise/Educationが新しいEdgeの自動配布の対象外から対象へ

 Chromiumベースの新しい「Microsoft Edge」は、今後「Windows 10」の標準モダンブラウザになる予定です。「20H2」と呼ばれる次期バージョンでは、新しいMicrosoft Edgeが標準になるという情報もあります。

 MicrosoftはChromiumベースの新しいMicrosoft Edgeを2020年1月に正式にリリースし、まずは手動でダウンロードおよびインストールすることで導入を可能にしました。その後、HomeおよびProエディションを対象にWindows Updateでの自動配布を開始しています。

 ただし、これらのエディションを実行する全てのPCが対象なわけではなく、「Active Directory(AD)」ドメインや「Azure Active Directory(AAD)」に参加しているデバイス、「Windows Server Update Services(WSUS)」で管理されているデバイス、「Windows Update for Business(WUfB)」で管理されているProエディションのデバイスは“自動配布の対象外”とされました。

 日本では2020年6月中旬、Windows 10 バージョン1803以降の対象デバイスに「2020-05 Windows 10 Version XXXX 向け Microsoft Edge Update(x86またはx64ベースシステム用)(KB4559309)」として、Windows Update経由で自動配布されました(画面1)。

画面1
画面1 Windows Updateで新しいMicrosoft Edgeが配布されると、次回サインイン時、このように新しいMicrosoft Edgeに更新されたことが全画面で示される。知らない人は驚くだろう

 当初、Windows 10のEnterprise、Education、Pro for Workstationsは自動配布の対象外とされ、組織の管理者が何らかの方法(ソフトウェア配布ツールなどを使用、WSUSでは不可)で企業内クライアントに配布するか、手動で導入するかしない限り、新しいMicrosoft Edgeの自動配布の影響について考慮する必要はありませんでした。新しいMicrosoft Edgeの企業向け新機能や企業での展開方法については、本連載でも何度か取り上げました。

2020年6月下旬からはWindows 7 SP1/Windows 8.1も自動配布対象に

 Windows 10に続いて、2020年6月下旬には「Windows 7 Service Pack(SP)1」と「Windows 8.1」(Enterpriseを除く)にWindows Update経由での自動配布が始まりました(画面2)。Enterpriseエディション、ADドメイン参加、AAD参加、WSUSで管理されているデバイスは自動配布の対象外です。

画面2
画面2 2020年6月下旬には、Windows 7 SP1とWindows 8.1へのWindows Update経由での自動配布も開始

 なお、Windows 7 SP1での新しいMicrosoft Edgeの利用は、サポート終了後に最大3年間(2023年1月まで)、セキュリティ更新を受け取ることができる「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」の購入者を想定しているものです。ただし、Windows 7 SP1での新しいMicrosoft EdgeのサポートはESUの期間の途中の「2021年7月15日」に終了することに注意してください(※)。

最新情報(2020年12月22日追記)

 (※)Windows 7およびWindows Server 2008 R上でのGoogle ChromeおよびMicrosoft Edge(Chromiumベース)のサポートは半年間延長され、「2022年1月15日」までに変更されました。


2020年8月以降、Windows 10 Enterprise/Educationも自動配布の対象に

 Microsoftは2020年6月末、7月30日から後のタイミングで、Windows Update経由での新しいMicrosoft Edgeの自動配布対象を、これまで対象外だったEnterpriseとEducationにも拡大することを発表しました。具体的な開始時期は明確になっていませんし、Pro for Workstationsは対象となるのかどうかも示されていません。これまでのProエディションと同様、ADドメイン参加、AAD参加、WSUS/WUfBで管理されているデバイスは対象外です。

 Microsoftのアナウンスと、これまでリリースされた新しいMicrosoft Edgeのサポート情報をまとめると、自動配布の対象は以下の表1の通りです。

AD/AADドメイン参加、WSUS/WUfBで管理 管理されていない
Windows 10 バージョン1803以降
Home ― 2020年5月更新の自動配布対象
Pro 自動配布対象外 2020年5月更新の自動配布対象
Pro for Workstations 自動配布対象外 2020年5月更新の自動配布対象外
2020年8月以降の情報なし
Pro for Education 自動配布対象外 情報なし
Enterprise 自動配布対象外 2020年5月更新の自動配布対象外
2020年8月以降に自動配布開始予定
Education 自動配布対象外 2020年5月更新の自動配布対象外
2020年8月以降に自動配布開始予定
Windows 8.1
Home ― 2020年6月更新の自動配布対象
Pro 自動配布対象外 2020年6月更新の自動配布対象
Enterprise 自動配布対象外 自動配布対象外
Windows 7 SP1
Home ― 2020年6月更新の自動配布対象
Professional 自動配布対象外 2020年6月更新の自動配布対象
Enterprise 自動配布対象外 自動配布対象外
Ultimate 自動配布対象外 2020年6月更新の自動配布対象
表1 新しいMicrosoft EdgeのWindows Updateによる自動配布の対象

 なお、Windows 10のLTSC(Long-Term Servicing Channel:長期サービスチャネル)は自動配布の対象外です。ロックダウン版のWindows 10 Sモード(Pro in S modeなど)については情報はありませんが、新しいMicrosoft Edgeを手動でインストールすることは可能なので、自動配布の対象になる可能性があります(画面3)。

画面3
画面3 Windows 10 Sモードへの新しいMicrosoft Edge(.msuパッケージ)の手動インストールはブロックされることなくインストールできる

旧Edge(EdgeHTML)は2021年3月9日以降、完全にサポートされなくなる予定

 Microsoftは2020年8月17日(米国時間)、「Microsoft 365」(旧称、Office 365)のアプリとサービスにおける「Internet Explorer(IE)11」と旧Microsoft Edge(EdgeHTML)のサポート終了までのスケジュールを以下のようにアナウンスしました。

  • 2020年11月30日から、Microsoft Teams WebアプリがIE 11のサポートを終了
  • 2021年8月17日から、Microsoft Teams Webアプリ以外のMicrosoft 365アプリとサービスがIE 11のサポートを終了
  • 2021年3月9日から、旧Microsoft Edge(EdgeHTML)に対して新たなセキュリティ更新プログラムの提供を終了

 Windows 10に標準搭載されている旧Microsoft Edge(EdgeHTML)は、「2021年3月9日」で製品ライフサイクルが終了することになるため、それまでに新しいMicrosoft Edge(Chromium)に移行する必要があります。なお、IE 11についてはOSのコンポーネントとして互換性(新しいMicrosoft Edgeの「IEモード」にはIE 11が必要です)のために引き続き残され、セキュリティ更新の対象として維持されることになります。

最新情報(2020年9月7日追記)

 2020年9月初めから、Enterprise/Educationエディションを含むWindows 10への新しいMicrosoft EdgeのWindows Updateによる配布が以下の更新プログラムにより開始されました。


筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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