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先生は私のヒーロー その責任感、仕事の仕方、全てに憧れましたGo AbekawaのGo Global!〜Mintzu Hnin Khat編(前)(2/3 ページ)

大学ではデータ分析やネットワークを学びました。でもPCを触ったことはありませんでした。

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PCのないテクノロジー大学


大学の卒業式

阿部川 家ではお母さんの手料理を食べて絵を描いている静かな子だったのですね。学校ではどうでしたか? 高校生のころはやはり、絵を描くことに関連する授業が好きだったのですか?

ミンズさん 高校のころは数学が好きでした。私が高校生のころ、ミャンマーには絵を描くことを教えてくれる授業はありませんでした。

阿部川 何で数学が好きだったのでしょうか。

ミンズさん 文章を読むのが苦手で、頭に入らなくて。数学の方が計算の仕方などが面白くて、好きでした。

阿部川 ミャンマーの教育システムを教えてください。

ミンズさん 小学校が4年、中学校が3年、高校が3年、大学が5年です。どこの大学に行けるかは、高校で行う試験の点数で決まります。300点ならA大学、400点ならB大学、というふうに。

阿部川 なるほど。ということは、2007年12月に入学したタングー テクノロジカル ユニバーシティーは、ミンズさんが希望したというよりも、高校の成績で入る学校が決まったというわけなんですね。テクノロジーを勉強したいと希望したわけではない、と。

ミンズさん 正直あのころ興味があったのはITではなくて、建築工学でした。でも、私の成績ではそこには入れなかったんです。それでITを専攻しました。デザインを作るエンジニアになりたかったのです。

阿部川 大学に入ってから、初めてPCに触ったのですか?

ミンズさん 大学ではPCは触れませんでした。初めてPCに触ったのは、大学卒業後です。大学の授業は理論中心でした。

阿部川 え! PCに触らずに、テキストだけでITの勉強を? 大学にPCはなかったんですか?

ミンズさん 2〜3台ぐらいはあったと思うんですが……。

阿部川 テクノロジカル ユニバーシティーなのに! でも、理論はやったんですね。どんなことを学びましたか?

ミンズさん 主にデータ分析、システム開発とネットワークの情報技術を学びました。

初めてのPC、C#、そしてJava

阿部川 2013年4月に大学を卒業して、12月にミャンマーのナンヨーテクノロジーズに入社します。卒業してすぐに就職しなかったのですか?

ミンズさん 会社はヤンゴンにあって、私は田舎にいたので、親の許可をもらうなどいろいろあって、すぐには行けませんでした。

阿部川 まだPCには触っていないんですよね。

ミンズさん 大学を卒業してからヤンゴンに行くまでに半年ぐらいあったので、ふるさとの町にあるコンピュータの学校に通いました。自分のPCは持っていなかったけれど、学校で触れました。メーカーは覚えていませんが、デスクトップPCで、OSは「Windows XP」でした。PCに触って、プログラミングの基礎を勉強しました。

 理論だけで勉強したことはあまり頭の中に残っていなかったので、コンピュータの学校で全部最初から学びました。本を買って、その内容をやってみたり。

阿部川 半年で。すごいですね。大学で理論を勉強した下地があったからだとは思いますが。ナンヨーではどういう仕事をされたのですか?

ミンズさん 会社は防犯カメラのソフトウェアを扱っていたので、私はそのソフトウェアの保守作業を担当して、機能の一部を作成しました。学校では「C#」を学んだのですが、仕事では「Java」を触れて、勉強になりました。仕事が楽しくて、これからも続けようと思いました。

阿部川 楽しく仕事をしていたけれど、半年後にサイバーミッションズミャンマーに転職します。どうしてこの会社を選んだのですか?

ミンズさん ナンヨーにはそのころ防犯カメラの案件しかなかったので、もっと広い業界を経験したかったのです。ミャンマーには2014年か2015年ごろから日本の会社が進出してきました。日本の会社は正直給料も高いし、教育もしてもらえるし、案件も多い。ミャンマーの案件だけではなく、日本からのオフショア案件もあるので、広く経験できると思って転職しました。

阿部川 たまたま日系の企業だったのですか? それとも日本に興味があった?

ミンズさん そのときは、そこまでは日本に興味はありませんでした。給料が高いなどの理由で日系企業に転職しましたが、日本に行きたいという気持ちはそれほどありませんでした。ミャンマーから出たことがないので、知らない国に行くのは怖いし。

阿部川 そのときは当然日本語も話せなかったのですよね。いま、素晴らしい日本語でお話しになっていますが(編集注:取材は日本語で行われ、ミンズさんの日本語は、初めて会う人は外国人だと気が付かないぐらい流ちょうだった)。

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