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ミャンマーではエンジニアは女性の仕事Go AbekawaのGo Global!〜Mintzu Hnin Khat編(後)(2/3 ページ)

ITにも日本にも興味はなかった。でも、1人のヒーローに出会って、日本でエンジニアになりたいと思った。

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言葉が分からないと案件を把握できない

阿部川 日本では最初はどのような仕事をしたのですか? ブライセンミャンマーの仕事ですか?

ミンズさん 最初はPHPの案件で、2つぐらい続けてPHPの案件を担当しました。日本に来たころはオフショア案件には入らず、日本の案件だけ担当しました。

阿部川 ということは、お客さんもメンバーも日本人の中でミンズさん1人だけ外国人という状況だったのですか?

ミンズさん 私の他にもミャンマー人が1人いました。

阿部川 最初の1〜2年はやはり大変だったと思います。言葉の問題があったり、日本独自のシステムの作り方があったり。1番苦労したことは何ですか?

ミンズさん 最初は日本語がちゃんとできなかったので、案件の内容や業務フローをあまり把握できない、案件をよく把握できないと開発もできない、そういうことに1番苦労しました。そういうときは、もう1人のミャンマー人に把握できないところを教えてもらって、いままでやってこれました。

阿部川 先輩がいてくれてよかったですね。楽しかったことは何ですか?

ミンズさん できないことをできるようになると幸せに思います。

 開発言語は、最初はPHPしか分からなくて。ミャンマーでもPHPを少し触っていたのですが、PHP言語にも通常のPHPと「CakePHP」のような複数のフレームワークがあって、日本に来てからCakePHP、「FuelPHP」「Laravel」などの複数のフレームワークを触れるようになりました。最初は書き方も分からなかったのですが、勉強して、先輩たちを見習っていたらできるようになって、それが幸せでした。

阿部川 新しい言語は次々と出てきますし、方言もたくさんありますから、勉強はある意味死ぬまで続けなければいけませんね。

ミンズ流チームリーダーとは


チームメンバーに指導するミンズさん(右)

阿部川 いつごろチームリーダーになったのですか?

ミンズさん 1年前ぐらいからです。

阿部川 チームリーダーとは何をする仕事ですか?

ミンズさん チームリーダーは、チーム全体の責任を持つ仕事です。

阿部川 ふふふ、素晴らしい。テキストを読むような答えで素晴らしい。ではもう一歩踏み込んで、ミンズさんがチームリーダーとして大切にしているのは、どんなことですか?

ミンズさん 1番大切にしているのは、お客さまの要望をよく聞くことです。お客さまの要望をちゃんと把握して、それをチームメンバーたちに説明して、お客さまの要望を満たせる成果物を作ることを心掛けています。

阿部川 お客さまの要望を聞くためには、子どものころ苦手だったテキストを読まないといけません。それはもう嫌いではなくなったのですか?

ミンズさん もちろん要件仕様書を読まないといけないけれど、いまのお客さまは打ち合わせをたくさんしてくれるので、分からないことがあれば質問したり、要件仕様書に疑問があれば問い合わせしたりできます。

阿部川 ミンズさん自身がどんどんどんどん成長しているんですね。できなかったことがどんどんできるようになって、チームリーダーとしてチーム全体の責任を負って。ミンズさんはいまでもプログラミングをしているのですか?

ミンズさん メインの仕事は開発ではありませんが、チームメンバーが困っていたら、私も開発に入ります。

阿部川 いままでは普通に出社してチームでディスカッションできましたが、この2年ぐらいはコロナの影響があってオンラインでミーティングしていると思います。オンラインとオフラインを比較してどうですか?

ミンズさん 仕事はかなりしづらいです。内容の説明だけならオンラインでもできるかもしれませんが、メンバーが開発で困っていたら、私もエラーの内容を実際に調査しますし、それは2人で一緒にやった方が早いですよね。オンラインではなかなか進まない点もあるので、そういうときは部長に相談して出勤させてもらっています。

阿部川 多くの場合はオンラインだけれども、何か問題が起こったりしたときはケース・バイ・ケースでオフラインに切り替えたりもするのですね。

 いま携わっているのは、車両のタイヤ点検や車両の管理情報、いわゆる車を使うお客さま向け管理情報とのことですが、アプリそのものを開発されているのですか?

ミンズさん 私が担当しているのは、法人用のタイヤ販売管理iPadアプリです。顧客情報――車の情報や点検情報を管理できるものです。顧客の必要に応じて商談などを行い、タイヤやホイールの見積もりを作成して、受注確定までできます。

 アプリの開発からスタートして、いまは保守フェーズです。開発時は6人ぐらいのチームでしたが保守になってからは4人です。

 それとは別に、同じお客さまの別の案件も担当しています。iPadアプリで顧客に販売した売り上げデータの情報管理などを行っている「Visual Basic .NET」(VB.NET)で作った別のシステムの改修などもやっています。VB.NETの改修案件は常にあるわけではなく、お客さまから要望があったら対応しています。

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