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カインズのDXの秘訣は「同じ言葉」で話すことIT用語でもなく、店舗用語でもなく(2/3 ページ)

エンジニアとはお互いの言葉を使わずに、経営層への説明では定量的な効果と定性的な効果を混ぜながら。ホームセンターの元店長は、カインズDX(デジタルトランスフォーメーション)のハブとなり、橋となった。

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 一部店舗では、商品を検索し、売り場までのルートを表示できる「デジタルサイネージ」も設置した。先行導入した埼玉県の朝霞店では月間1万人が利用しており、「この商品、どこにありますか?」という顧客の問い合わせに対応する時間が10〜20%減少するといった効果があったという。

 さらに、商品が置いてある棚まで案内を行う「売り場案内ロボット」の試験導入も行った。「案内時にお客さまにぶつからないかといった心配もあったので、なるべくロボットがしゃべりながら動くようにするなど細かな機能も追加していきました」(水野氏)。これも思った以上の反響があり、現在ログの解析を進めて次の取り組みに向けた検討を進めているという。

 店舗に併設されている無料のドッグランを予約でき、ストレスなく利用できる「スマートドッグラン」サービスも開始し、反響を呼んでいる。「これまでは、店舗に確認しないといつ遊べるかが分からず、お客さまにとって不便なのはもちろん、店舗メンバーにとっても『お客さまに申し訳ない』という気持ちがありました。ヒアリングでこうした声が上がってきたことから、全てのフローをデジタル化し、スマホでの予約からQRコードによる鍵の発行、利用までをストレスなく行えるサービスを開発しました」(水野氏)。現在5店舗で利用でき、今後も拡張していく予定だという。

 他にもCAINZアプリの刷新、オウンドメディア「となりのカインズさん」の立ち上げやワークショップ・レンタル工具の予約サイト「CAINZ Reserve」のリリースなど、次々と新たな機能を開発しており、2021年4月にはCAINZアプリ会員が200万人を突破した。

まずは、店舗メンバーに「これいいね、便利だね」と思ってもらうこと

 こうしたプロジェクトを率いてきた水野氏だが、決してITの専門家だったわけではない。店舗での接客や店長、エリアマネジャーの経験はあるものの「全くのデジタル初心者だったので、いろいろな言葉や開発の流れを、エンジニアたちから学んだのがスタートです」と振り返った。

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