バグ修正が主なマイナーアップデート「Windows Admin Center 2110.2」がリリース、前バージョンのサポート切れに要注意:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(170)
Microsoftは2022年4月27日(米国時間)、「Windows Admin Center(WAC)」の最新GAバージョン「WAC 2110.2」をリリースしました。今回のGAリリースはバグ修正が中心であり、新機能はごくわずかですが、WAC 2110のサポートは30日後に終了するため、利用中の場合は早めに更新してください。
マイナーバージョンとしてリリースされたWAC 2110.2
「Windows Admin Center(WAC)」は、Windows Server、Windowsクライアント、Windows Serverと「Microsoft Azure」のハイブリッド環境、そして2021年2月に正式リリースとなったハイパーコンバージドインフラストラクチャである「Azure Stack HCI」のセットアップと構成、管理に対応したWebベースの管理ツールです。
これまでWACのGA(Generally Available、一般提供)リリースは、おおむね半年ごとのメジャーバージョン(YYMM形式、YYは2桁の暦、MMは2桁のGAビルド完成月)がリリースされ、その間にマイナーバージョン(YYMM.x、xは数字)がリリースされる場合もありました。
今回リリースされた最新のGAバージョン「2110.2」は、2021年11月にリリースされた、「Windows Server 2022」「Windows 11」「Azure Stack HCI 21H2」に対応したWAC 2110に対するバグ修正を主な目的としたマイナーバージョンになります(画面1)。
WAC 2110では、「ロールベースのアクセス制御(RBAC)」と「すべての接続」ページの検索機能、幾つかの拡張機能のバグが修正されています。また、新機能として、「HSTS(HTTP Strict Transport Security Standard)」サポートが既定で常に有効化されるようになり、管理者の資格情報の有効期間を指定して再認証を要求できるようになりました(画面2)。
- Windows Admin Center version 2110.2 is now generally available![英語](Microsoft Tech Community)
WAC 2110は「30日以内」にサポート終了、早めに対応を
既にWAC 2110を利用中で、自動更新機能が有効になっている場合は(「設定」→「全般」で「Windows Admin Centerを自動的に更新する」がオン)、WAC 2110.2(1.3.2204.19002)に自動的に更新されます。
また、「設定」→「全般」を開いて「更新プログラムのインストール」をクリックすると、自動更新のスケジュールを待たずにすぐに更新を開始できます(画面3)。自動更新を有効にしていない場合は、GAリリースから30日が経過すると、最新のGAリリースよりも前のバージョンはサポートされなくなることに注意してください。
Windows Serverに続いて、Windowsも「半期チャネル(SAC)」が廃止されることもあり(「Windows 10」はWindows 11と同じく、年1回リリースの「一般提供チャネル」になりました)、今回のWACのマイナーバージョンとしてのリリースは、年1回のリリースサイクルへの緩和と想像するかもしれません。しかし、少なくとも現時点でそのような発表はありません。実際、2020年には、WAC 2007(7月21日GA)とWAC 2009(9月22日GA)が短い間隔でリリースされたこともあります。
- Windows Admin Center release history[英語](Microsoft Docs)
筆者紹介
山市 良(やまいち りょう)
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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