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中堅企業が優先投資する技術分野はやっぱりセキュリティ、残り2つは?CEOはインフレの影響長期化を予想

Gartnerは中堅企業について、2022年の技術的優先事項を調査した。最も回答が多かったのは「セキュリティ」だ。他にも2つの優先事項があるという。

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 Gartnerは2022年9月26日(米国時間)、中堅企業について2022年の技術的優先事項のトップ3を発表した。

 Gartnerのバイスプレジデントアナリストを務めるマイク・シセク氏は、次のように述べている。「中堅企業は投資をシフトしており、技術的優先事項については、配分する予算を増やしてさえいる。だが、セキュリティやインフラ、アプリケーション、クラウドエコシステムの変化が加速しているため、新しいツールの選択が難しくなっている。中堅企業の技術リーダーは、投資業務を迅速に遂行し、タイムツーバリュー(価値の実現にかかる時間)を短縮する必要がある」

 今回発表した調査結果は、2022年3〜4月に中堅企業のCIO(最高情報責任者)とITリーダーを対象に実施されたもので、134人から回答を得た。回答者は現在実施中のITプロジェクトを挙げるよう求められており、それらのプロジェクトは回答者が答えた技術的優先事項と相関していた。

技術的優先事項はセキュリティ以外に2つある

 同社の調査によれば、中堅企業の2022年の技術的優先事項は、第1に「セキュリティとリスク管理」、第2に「アプリケーションと統合戦略」、第3に「インフラと運用」だという。


中堅企業の技術的優先事項 最も回答が多かったのはセキュリティ、次いでアプリケーションと統合戦略のうち、ERP(企業資源計画)やCRM(顧客関係管理)、HR(人材)についての業種別アプリケーションだった。数値は回答数(提供:Gartner)

2023年はインフレが中堅企業の予算に影響

 2023年の予算策定時期を迎える中、中堅企業の技術担当者は、インフレによる逆風や景気後退の可能性などの課題に直面している。組織規模と事業規模から、中堅企業は多くの場合、インフレの影響を最初に感じ、長期的な悪影響を最も受けやすい。

 Gartnerの2022年の調査「CEO and Senior Business Executive Survey」によると、中堅企業のCEO(最高経営責任者)の86%が、今後大幅なインフレが起こると考えており、大半はインフレの影響がその後12〜36カ月に及ぶと予想している。インフレへの対応として、中堅企業のCEOが最も多く挙げたのは「値上げ」で、次が「コスト最適化の取り組み」だった。

 「歴史的に経済の不確実性に対する対応は、新規投資や追加投資ではなく、コスト削減だった。だが、一般的な中堅企業では、IT投資が売上高の平均4.7%を占めており、コスト最適化の余地はほとんどない」と、シセク氏は指摘する。

 「経済の先行きが不透明な時期には、ビジネスの優先順位に合わせてデジタル投資を進め、財務のキャッシュフロー戦略をサポートする必要がある。中堅企業は技術ポートフォリオを合理化するとともに、ITや従業員、顧客に財務効果や生産性効果をもたらすソリューションに投資することで、最も効果的にインフレに対応できる」(シセク氏)

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