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アプリ開発環境をセルフサービスで素早く準備できる「Azure Deployment Environments」とは?――Microsoft Build 2023で発表Microsoft Azure最新機能フォローアップ(194)

Microsoftは「Microsoft Build 2023」で、セルフサービスでアプリ開発環境を素早く準備できる「Azure Deployment Environments」の一般提供を発表しました。このサービスは、現在、東日本を含む一部のリージョンで利用可能です。

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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

開発/テストを“時短”する「Azure Deployment Environments」が提供開始

 「Microsoft Build 2023」(米国時間2023年5月23〜25日開催)で一般提供開始が発表された「Azure Deployment Environments」は、開発プロジェクトごとに、一貫性とベストプラクティスを確立しながら、セキュリティで保護されたアプリ開発環境を素早く、セルフサービスで準備することができるアプリ開発チーム向けサービスです。

 Azure Deployment Environmentsでは、開発チームが開発環境を作成および管理するための専用ポータル「デベロッパーセンター(Dev Center)」を使用して、定義済みのIaC(コードとしてのインフラストラクチャ)テンプレートに基づいて、オンデマンドで(必要時に)アプリ開発環境をMicrosoft Azure上に準備できます。

 また、Azure上にサンドボックス環境を作成してコードをテストしたり、トレーニングやデモ用の事前定義済み環境を作成したりすることも可能です。さらに、さまざまな種類の開発環境を事前に構成し、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインと統合することもできます(画面1)。

画面1
画面1 Azure Deployment Environments専用のポータル「デベロッパーセンター(Dev Center)」

 Azure Deployment Environmentsは、無料のサービスです。ただし、このサービスを通じてデプロイされた開発環境で使用されるコンピューティング、ストレージ、ネットワークなどのAzureリソースについては、その使用に基づいて課金されます。

 なお、Azure Deployment Environmentsには、Azureサブスクリプションごと、リージョンごと、デプロイごとのランタイム時間の月当たり上限、および環境ごとのストレージの上限が設けられていることに注意してください。

Microsoft Dev Boxの一般提供は2023年7月の予定

 Azure Deployment Environmentsの一般提供に合わせたサービスのアップデートでは、「デベロッパーセンター」に「Microsoft Dev Box」を作成、表示、起動できるインタフェースが追加されました(画面2)。

画面2
画面2 「Microsoft Dev Box」(現在、パブリックプレビュー)が「デベロッパーセンター」から作成、管理できるようになった

 Microsoft Dev Boxは2022年8月からパブリックプレビュー提供されているサービスで、事前構成済みで一元管理された、プロジェクト固有の開発環境を含むWindowsデスクトップへのアクセスを提供します。Microsoft Dev Boxは、2023年7月に一般提供が開始される予定です。

 Microsoft Dev Boxは「Azure Virtual Desktop」や「Windows 365 Cloud PC」と同じ技術に基づいたクラウドベースの仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)サービスであり、使用するにはユーザーに「Windows 11 Enterprise」または「Windows 10 Enterprise」と、「Microsoft Endpoint Manager」「Azure Active Directory P1」のライセンスが付与されている必要があります。これらのライセンスは、「Microsoft 365 E3/E5」などのサブスクリプションにも含まれています。

Microsoft Build 2023でのその他の発表にも注目

 Microsoft Build 2023では、今注目のAI(人工知能)関連の発表が相次いで大きな注目も集めていますが、Azure Deployment Environmentsのように、数多くのAzureサービスの一般提供やパブリックプレビュー開始が集中的に発表されています。

 例えば、「Azure Kubernetes Service(AKS)」のLinuxホスト専用OSとして、Microsoftが開発したLinuxディストリビューション「Azure Linux」が一般提供となった他、AKSのWindowsホストで第2世代仮想マシンが正式にサポートされました(「Windows Server 2022」のみ)。その他の発表については、「Azureの更新情報」で確認してください。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2023(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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