「35歳で定年」など絶対にない エンジニアは「長く活躍できる時代」へ:仕事が「つまんない」ままでいいの?(102)(2/3 ページ)
エンジニアの間で長く語り続けられた35歳定年説。でもこれからは、全エンジニアが長く活躍する時代です。
人口減少社会で取り組むべきこと
2023年3月、リクルートワークス研究所は『未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる』を公開しました。労働供給制約社会とは、「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなる」ということです。
物流、建設、土木、介護、福祉、接客など、生活のインフラに関わるサービスが維持できなくなる恐れがあります。いや、もはや「恐れがある」ではないかもですね。ここでは「維持できません」としておきましょう。
というより、人手不足は既に起こっています。帝国データバンクが発表した『人手不足に対する企業の動向調査(2023年4月)』によれば、正社員の人手不足は51.4%に達しています。『全国企業倒産集計 2023年4月報』によると、人手不足倒産は2023年4月において30件発生し、過去最多を更新しています。
問題なのは、「これはまだ、序章である」ということです。
リクルートワークス研究所の『未来予測2040』は、この解決策を4つ提示しています。
- 徹底的な機械化、自動化
- ワーキッシュアクトという選択肢
- シニアの小さな活動
- 待ったなしのムダ改革
1. 徹底的な機械化、自動化
「徹底的な機械化、自動化」は、まさにエンジニアが活躍するシーンです。情報分野はもちろんのこと、運輸、建設、介護、医療、販売、接客など、いままでIT化が難しいといわれていた分野でも、取り組んでいく必要がありそうです。
2. ワーキッシュアクトという選択肢
ワーキッシュアクトとは、「何か社会に対して提供しているかもしれない、本業の仕事以外の活動」です。所属している1社だけではなく、複数のところに関わりを持ち、誰かや何か(例えば、地域社会など)の問題を解決するために手助けをすることです。
3. シニアの小さな活動
「シニアの小さな活動」は、年齢を重ねてもできる範囲で無理なく社会とつながり、誰かの役に立つこと。以前と比較すると、現代のシニアはずいぶんと若いです。ある年齢が来たからといって、一斉に役職定年とか定年といった制度は本来おかしい。活躍できる間は活躍できた方がいい。やりがいや生きがいにもつながります。
4. 待ったなしのムダ改革
「待ったなしのムダ改革」は、企業のムダを徹底的に削減することです。ここもまさにエンジニアが活躍するシーンです。実は、この記事を書いている今日、あるところから郵便物が届きました。「仕事を依頼したいので、必要な情報を紙に書いて送れ」と。こういったクソ仕事、マジなくしたいです。
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